2022-12-13 シンガポール国立大学(NUS)
NUS環境研究所(NERI)の研究者は、スマトラ島南部で新種の泥炭木を発見した。高さ40mの泥炭木は未発見の種であることが判明し、Lophopetalum tanahgambutと命名されました。この名前は、ラテン語とインドネシア語で「泥炭地の王冠をかぶった花びら」と訳されている。
この木の成長を研究し、果実や芽のサンプルを採取するために、科学者たちは1年以上にわたって毎月のように川を泳いで渡り、巨大な木に登ったのです。彼らはイギリスのキュー王立植物園の専門家と協力してこの種について説明し、その成果は2022年11月17日に科学雑誌『Phytotaxa』に掲載されました。
この研究は、熱帯泥炭システムにおける泥炭分解と森林やプランテーションの緑化におけるメカニズムを深く理解することを目的とした、放医研の熱帯泥炭地総合研究計画(INTPREP)の一環として行われた。Lophopetalum tanahgambutは、NUSの研究プログラムのもと、スマトラ島南部で発見された2番目の泥炭木である。彼らの最初の発見は、ほぼ60年ぶりに泥炭湿地帯の樹木を新たに発見したもので、2022年1月に発表されました。
今回の発見により、東南アジアの泥炭湿地林に生息する約350種の樹木のリストが増える可能性があります。泥炭地は、植物の死骸が堆積した形で膨大な量の炭素を蓄える強力な炭素スポンジである。しかし、インドネシアでは、パーム油や紙パルプの原料を生産するためのプランテーションのために、数十年にわたる伐採、排水、焼畑が行われ、泥炭湿地は大きく減少しているのだそうです。
<関連情報>
- https://news.nus.edu.sg/researchers-discover-peat-tree-species/
- https://www.straitstimes.com/singapore/scientists-swim-across-muddy-river-monthly-to-confirm-existence-of-new-peat-tree-specie
- https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.573.1.7
インドネシア・スマトラ島の泥炭湿地林に生息するLophopetalum tanahgambutの新種、Lophopetalum属では初めての擬葉状配列を持つ(Celastraceae) Lophopetalum tanahgambut, a new endemic giant tree species from peat swamp forest of Sumatera, Indonesia, with the first pseudoverticillate leaf arrangement in genus Lophopetalum (Celastraceae)
Phytotaxa Published:17 November 2022
DOI:https://doi.org/10.11646/phytotaxa.573.1.7
Abstract
A new large tree species from peat swamp forest of Sumatera, Indonesia is described here with new notes on vegetative characters for the genus. Colour plates, as well as distribution, habitat, phenology, uses and observation notes are provided.