免疫賦活化能を有する古細菌脂質を発見~古細菌脂質はMincle受容体に認識される~

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2023-08-17 京都大学

古細菌は、一般的に極限環境に生息する微生物と認識されていますが、ヒトを含めた哺乳類の腸管や皮膚などにも常在する身近な微生物です。しかしながら、常在古細菌が宿主の健康や疾病にどのように関わっているかについては、解析がほとんど進んでいません。

井貫晋輔 薬学研究科准教授、大野浩章 同教授、岡詩織 同博士課程学生、山﨑晶 大阪大学教授らの研究グループは、精密有機合成による化合物供給と様々な免疫活性評価によって、古細菌が有する特徴的な脂質(グルコシルジアルキルグリセロール)が自然免疫受容体Mincleに作用して、炎症性サイトカインの産生などの自然免疫応答を活性化することを明らかにしました。

古細菌は、細菌や真核生物とは異なるドメインの生物であり、特異な分子を数多く有します。本研究が発端となり、宿主の免疫機能を制御する分子群の探索が進めば、新たな標的・作用機序の発見、新規創薬シーズの創出などに繋がることが期待されます。

本研究成果は、2023年8月9日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。

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研究者のコメント

「古細菌は、脂質以外にもたくさんの特徴的な分子を有しています。このような分子の解析を進めることで、『なぜ、古細菌がヒトを含めた哺乳類に常在するのか?』、『常在古細菌は宿主の健康維持や病態形成にどのように関わるのか?』、『なぜ、常在古細菌が進化の過程でこのような特有な分子群を選択するに至ったか?』といった命題に取り組むための科学的基盤の構築に繋がればと考えています。」(井貫晋輔)

詳しい研究内容について

免疫賦活化能を有する古細菌脂質を発見―古細菌脂質はMincle受容体に認識される―

研究者情報

研究者名:井貫 晋輔
研究者名:大野 浩章

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有機化学・薬学
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