補酵素NADとSAMを縮合して抗生物質の主骨格を構築する新規酵素の構造機能の解明~ADのアルキル化に関わる生合成酵素のクライオ電子顕微鏡構造~

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2024-09-02 東京大学

補酵素NADとSAMを縮合して抗生物質の主骨格を構築する新規酵素の構造機能の解明~ADのアルキル化に関わる生合成酵素のクライオ電子顕微鏡構造~

東京大学大学院薬学系研究科の淡川孝義 准教授(現、理化学研究所環境資源科学研究センター チームリーダー)、Lena Barra 博士研究員(現、ドイツ・コンスタンツ大学助教授)、森貴裕 准教授、牛丸理一郎 助教、阿部郁朗 教授、東京大学大学院農学生命科学研究科 寺田透 教授、高エネルギー加速器研究機構(KEK)千田俊哉 教授、筑波大学 生存ダイナミクス研究センター 安達成彦 准教授、カリフォルニア大学デービス校Dean Tantillo教授らの研究グループは、補酵素β-NAD、SAMを基質として受け入れ、二回のC-C結合形成反応を触媒する特異なピリドキサール5′-リン酸(PLP)依存性酵素SbzPの立体構造をクライオ電子顕微鏡構造解析により明らかにすることに成功しました。生体内での酸化反応の補酵素として広く知られているβ-NADのニコチンアミド部をアルキル化する酵素の初の構造機能解析となり、大きなインパクトを与えました。また、酵素と基質の相互作用解析、計算化学による酵素触媒の動的変化解析を行うことで、これまでに得られなかった酵素化学の知見を得ることに成功しました。
本研究成果は、構造生物学、生物物理学、計算化学の手法の融合によって、生体触媒の反応機構を明らかにし、ドラッグデザインの新手法の基盤構築を通して、創薬研究への貢献が大いに期待されます。

論文情報

Takayoshi Awakawa, Takahiro Mori, Lena Barra, Yusef Ahmed, Richiro Ushimaru, Yaojie Gao, Naruhiko Adachi, Toshiya Senda, Tohru Terada, Dean J. Tantillo, Ikuro Abe, “The structural basis of pyridoxal 5’-phosphate dependent β-NAD alkylating enzymes,” Nature Catalysis: 2024年9月2日, doi:10.1038/s41929-024-01221-5.
論文へのリンク (掲載誌)

生物工学一般
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