2024-11-25 東京大学
発表のポイント
- この研究は、ジェネリック医薬品の選択が患者の重症度、医師と患者の信頼関係、アドヒアランスの影響を受け、患者の生命予後と診療の累積費用に貢献することを明らかにしました。
- メカニズムの複雑さから通常の臨床試験では困難な本テーマを、データサイエンス(人工知能[AI]や医療ビッグデータ)を応用しつつ、世界で初めてジェネリック医薬品のスイッチ機序の洞察を提供しました。
- ジェネリック医薬品が有する新たな側面(付加価値)を示したこの研究の知見は、医薬品処方の選択や普及を適切に促し、社会保障制度の持続的な発展に貢献することが期待されます。
概要
東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座の田倉智之特任教授(研究当時)らによる研究グループは、ジェネリック医薬品の選択の状況や推移をモニタリングすることで、臨床経済的な長期予後を潜在的に論じられることを明らかにしました。以前の研究開発(ASHRO スコア:長期予測モデル)(注 1)では、AIによる指標などの整理の過程において、ジェネリック医薬品の選択が経済負担のみならず臨床負担の軽減に資することが示唆されていました(図 1)。
そこでこの研究は、機械学習(注 2)などのAIや大規模なデータベースとともに、最新の医学統計や物理統計なども駆使しつつ、世界で初めてジェネリック医薬品のスイッチ機序の洞察を提供しました。これらの知見は、ジェネリック医薬品の政策的普及が鈍化し始めた場合、医薬品の適切な処方に貢献する可能性があります。したがって、信頼を築きながら重篤な病気を予防することは、臨床上の利益と社会経済的な成果の向上につながる可能性があります。