鶏卵アレルギーを診断する新しい検査法の応用研究を実施 ~重要なのは、抗体の”量”と”質”~

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アナフィラキシーなどの負担が少ない、安全なアレルギー診断に期待

2020-06-26 国立成育医療研究センター

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵2-10-1、理事長:五十嵐隆)アレルギーセンターの大矢幸弘センター長、免疫アレルギー・感染研究部の松本健治部長、徳島大学(所在地:徳島県徳島市新蔵町2-24、学長:野地澄晴)先端酵素学研究所、生態防御病態代謝研究分野の木戸博教授らのグループは、鶏卵アレルギーを診断する新しい検査法の応用研究を行いました。

この研究では、成育アレルギーセンターで食物経口負荷試験を行った子どもの中でIgE抗体価が低い子どもを対象に、IgE抗体の抗原親和性(IgE抗体が、アレルギーを引き起こす物質と結びつこうとする力)を徳島大学で調べました。その結果、食物経口負荷試験でアレルギー症状を示した子どもは、アレルギー症状を示さなかった子どもに比べてIgE抗体の抗原親和性が高いことが分かりました。さらに、IgE抗体価とIgE抗体の抗原親和性の両方を検査で見ていけば、食物経口負荷試験を行う場合とほぼ同じ精度でアレルギー診断ができることも発見しました。

食物経口負荷試験は、実際にアレルギー物質を体内に取り込むことからアナフィラキシーを引き起こす可能性もありますが、今回の研究が進むことで食物アレルギーの診断をより安全に行うことができるようになると期待されます。

この成果論文は、アメリカのアレルギー・喘息・免疫学会が発行しているThe Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practiceの電子版で4月に報告されました。

アレルギー画像の画像

プレスリリースのポイント

・鶏卵アレルギーの発症には、血中のIgE抗体(アレルギー物質に結合するタンパク質)の“量”と“質”(IgE抗体がアレルギー物質と結びつこうとする力)の2つが関係していることが明らかになりました。

・IgE抗体の“量”と“質”を組み合わせて検査することで、食物経口負荷試験とほぼ同じ精度でのアレルギー診断ができると考えます。

・この研究が進み、検査法が一般診療で簡単に利用することができれば、アナフィラキシーといった負担を伴う食物経口負荷試験を行わなくても、安全に食物アレルギー診断ができると期待されます。

発表論文情報

・著者:佐藤未織1)、山本貴和子1)、多田仁美2)、苛原誠1)、齋藤麻耶子1)、松本健治3)、朴慶純4)、木戸博2) 、大矢幸弘1)

・所属:

1)国立成育医療研究センター アレルギーセンター、

2)徳島大学先端酵素学研究所 生体防御病態代謝研究分野、

3)国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー・感染研究部、

4)国立成育医療研究センター データ管理部生物統計室

・題名:Diagnostic performance of IgE avidity for hen’s egg allergy in young infants.

・掲載誌:J Allergy Clin Immunol Pract. 2020/:S2213-2198(20)30285-3/ in press

詳しい資料は≫

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