仕事における孤独感が離職を増加させる~6 か月間のコホート研究により世界ではじめて関係を立証~

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2025-02-28 東京大学

発表のポイント

  • 仕事における孤独感が離職への意思を高めることは報告されていましたが、仕事における孤独感と実際の離職との関係について数量的に検討した研究は世界的にもありませんでした。
  • 本研究は、日本国内のフルタイム労働者を対象とした半年間の追跡研究により、仕事における孤独感と 6 か月間の実際の離職との間に正の関係があることを報告しました。
  • 仕事において孤独感が過去 1 か月に「ほとんどなかった」者と比較すると、「ほとんどいつもあった」者では離職のリスクが 2.46 倍高くなっていました。離職を防止するためにも、企業が仕事における孤独感の予防や改善に取り組むことが期待されます。

仕事における孤独感が離職を増加させる~6 か月間のコホート研究により世界ではじめて関係を立証~
仕事で孤独を感じる社員(AI 作成画像)

概要
東京大学大学院医学系研究科の佐々木那津講師、川上憲人特任教授らによる研究グループは、日本人労働者を対象としたアンケート調査の前向きコホート研究(追跡研究)(注 1)において、仕事における孤独感が 6 か月後の離職を予測することを明らかにしました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックをきっかけに、孤独感は重要な健康指標として関心を集めました。仕事において孤独を感じることは、仕事の満足度を低下させ、生産性に悪い影響があることが分かっています。仕事における孤独感は離職への意思を強めることも示されていましたが、実際の離職に影響があるのかどうかは明らかにされていませんでした。本研究では、仕事における孤独感を数値化して測定し、6 か月間に実際に退職・転職などの離職があったかどうかを追跡調査し、仕事における孤独感が高いと実際の離職につながることを世界ではじめて報告しました。
研究成果は今後、企業において仕事における孤独の予防や改善の重要性を示す科学的根拠として活用することが期待されます。

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医療・健康
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