2020-07-07 京都大学
中野隆文 理学研究科准教授、森嶋佳織 宇都宮大学博士課程学生、逢沢峰昭 同准教授の研究グループは、近年日本各地で数が増え、吸血被害が増加しているニホンヤマビルの全国的な吸血(宿主)動物を明らかにしました。
本研究によって、ニホンヤマビルの最も主要な宿主動物がニホンジカであることが明らかになりました。また、ニホンジカの分布の有無でニホンヤマビルの宿主動物の種類組成が異なり、ニホンジカの分布しない地域ではカエル類が重要な宿主動物であったことがわかりました。この結果、ニホンジカの増加以前はカエル類などから吸血していたニホンヤマビルが、ニホンジカの増加にともなって、宿主動物の対象をニホンジカに変えることで、ニホンヤマビルの近年の個体数の増加や被害拡大が生じた可能性が示唆されました。
本研究成果は、2020年5月19日に、国際学術誌「Ecology and Evolution」のオンライン版に掲載されました。
図:本研究のイメージ図
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1002/ece3.6344
【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/252435
Kaori Morishima, Takafumi Nakano, Mineaki Aizawa (2020). Sika deer presence affects the host–parasite interface of a Japanese land leech. Ecology and Evolution, 10(12), 6030-6038.