人工知能(IBM Watson)の活用により円錐角膜に関連する遺伝子変異を発見

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2020-08-03 京都大学

三宅正裕 医学研究科特定助教、辻川明孝 同教授、細田祥勝 同博士課程学生(現・大阪赤十字病院医師)、松田文彦 同教授らの研究グループは、本学と長浜市が共同で実施する「ながはま0次予防コホート事業」(長浜スタディ)のデータを活用したゲノムワイド関連解析によって円錐角膜の新たな疾患感受性遺伝子であるSTON2を同定し、更に人工知能(AI)のIBM Watson for Drug Discoveryを組み合わせて候補遺伝子数を絞ることによって、SMAD3遺伝子も円錐角膜の発症と関連していることを突き止めました。

近年、人工知能(AI)が様々な分野で活用されています。中でも、IBM Watsonはその先駆けとして医学分野にも用いられており、2016年には、東京医科学研究所から、IBM Watsonが特殊な白血病患者の病名を推定して治療に結びつけた例が報告されています。本研究は、ゲノムワイド関連解析と呼ばれる遺伝子解析手法とIBM Watsonを組み合わせることで、眼疾患である円錐角膜の疾患感受性遺伝子の同定に繋げた、世界で初めての報告です。

本研究成果は、円錐角膜の病態解明に寄与すると考えられることもさることながら、人工知能の新たな応用方法を示したことに意義があります。

本研究成果は、2020年7月31日に、国際学術誌「Communications Biology」に掲載されました。

図:本研究の概要図

書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1038/s42003-020-01137-3

【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/253548

Yoshikatsu Hosoda, Masahiro Miyake, Akira Meguro, Yasuharu Tabara, Sachiko Iwai, Naoko Ueda-Arakawa, Eri Nakano, Yuki Mori, Munemitsu Yoshikawa, Hideo Nakanishi, Chiea-Chuen Khor, Seang-Mei Saw, Ryo Yamada, Fumihiko Matsuda, Ching-Yu Cheng, Nobuhisa Mizuki, Akitaka Tsujikawa, Kenji Yamashiro & The Nagahama Study Group (2020). Keratoconus-susceptibility gene identification by corneal thickness genome-wide association study and artificial intelligence IBM Watson. Communications Biology, 3:410.

詳しい研究内容≫

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医療・健康細胞遺伝子工学
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