ザンビア国カブウェ鉱床地域の鉛汚染状況を明らかに

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~鉱床由来の鉛・カドミウム・亜鉛が住民の造血・肝臓・腎臓機能に及ぼす影響を評価~(ザンビアで実施中のSATREPSプロジェクトより)

地球規模課題対応国際科学技術協⼒プログラム(SATREPS)

ザンビアで実施中のSATREPSプロジェクト「ザンビアにおける鉛汚染のメカニズムの解明と健康・経済リスク評価手法および予防・修復技術の開発」(研究代表者:北海道大学 石塚真由美教授)の研究メンバーである中田北斗研究員(北海道大学)は、ザンビアのカブウェ鉱床地域の住民504名から採取した血液サンプルの鉛・カドミウム・亜鉛濃度を測定し、各金属が造血・肝臓・腎臓機能へ及ぼす影響を評価しました。

血液サンプル中の金属濃度の測定結果から、以下のことが判明しました。

  • 鉱床跡地の付近に居住する住民ほど血中鉛濃度が高くなる傾向があり、一部の地区では血中カドミウム濃度も有意に上昇していた。
  • 肝臓・腎臓機能の各指標において、調査対象となった成人の5人に1人(指標によっては2人に1人)が数値に異常がみられた。
  • 鉛の血中濃度が特に高かった住民では、調査対象者のデルタアミノレブリン酸脱水酵素注1の活性(ヘム合成の臨床的なパラメーター)が低下していた。つまり、鉛によって造血プロセスの1つであるヘム合成が阻害され、調査対象者が貧血症状に陥っている可能性が示唆されている。
  • 5歳以上の調査対象者には、血中カドミウム濃度と推算糸球体濾過量注2の間に負の相関関係がみられた。つまり、血中のカドミウムによって、腎臓が血液を濾過して老廃物を尿中に排出する能力が低下している可能性が示唆されている。

これらの結果は同地域の住民が重金属汚染による健康被害を受けていることを示唆するものであり、適切な汚染対策や治療を早急に実施する必要があります。今後、これらの調査結果はザンビア政府や国際機関に共有され、鉛中毒を和らげるための治療計画に役立てられる予定です。

【写真】現地の野外調査の様子(左から2番目の方が中田研究員)

【写真】現地の野外調査の様子(左から2番目の方が中田研究員)

注1 デルタアミノレブリン酸脱水酵素(ALAD) … ヘム合成に関わる酵素。鉛暴露により酵素活性が低下し、ヘム合成が阻害されることで貧血症状を呈する。
注2 推算糸球体濾過量(しきゅうたいろかりょう) … 血清クレアチニン値、年齢、性別から推算するもので、フィルターの役目を果たす腎臓の糸球体が単位時間当たりに濾過される血漿量を表す。腎臓が血液を濾過して老廃物を尿中に排出する能力の指標。

【報道情報】

北海道大学 論文プレスリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/201012_pr.pdf

【プロジェクト情報】

 

プロジェクトの詳細はこちら↓
『ザンビアにおける鉛汚染のメカニズムの解明と健康・経済リスク評価手法および予防・修復技術の開発』
https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2701_zambia.html(日本語)
https://www.jst.go.jp/global/english/kadai/h2701_zambia.html(Eng)
プロジェクトの特設ウェブサイト
http://satreps-kampai.vetmed.hokudai.ac.jp/(日本語)
http://satreps-kampai.vetmed.hokudai.ac.jp/en/(英語)
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