2021-01-18 国立遺伝学研究所
Chromosome-level genome assembly of Ophiorrhiza pumila reveals the evolution of camptothecin biosynthesis
Amit Rai, Hideki Hirakawa, Ryo Nakabayashi, Shinji Kikuchi, Koki Hayashi, Megha Rai, Hiroshi Tsugawa, Taiki Nakaya, Tetsuya Mori, Hideki Nagasaki, Runa Fukushi, Yoko Kusuya, Hiroki Takahashi, Hiroshi Uchiyama, Atsushi Toyoda, Shoko Hikosaka, Eiji Goto, Kazuki Saito and Mami Yamazaki
Nature Communications 12, 405 (2021) DOI:10.1038/s41467-020-20508-2
図: チャボイナモリ
千葉大学、理化学研究所、かずさDNA研究所、国立遺伝学研究所の研究チームは、抗がん剤の原料となるカンプトテシンを生産する薬用資源植物、チャボイナモリの全ゲノム配列を染色体レベルで高精度に解読しました。さらに他の植物のゲノムと比較することにより、カンプトテシンならびに類縁化合物の生産能力がどのように進化してきたかを明らかにしました。
本研究成果は、なぜ植物が薬になる成分を作るようになったのか、という根本的な疑問を解明するとともに、今後、抗がん剤原料(カンプトテシン)の持続的生産に寄与することが期待されます。
本研究は、2021年1月15日(日本時間)にNature Communicationsに掲載されました。
遺伝研の貢献
チャボイナモリゲノムのショットガンシーケンス(ロングリードとショートリード)やHi-C解析データなどゲノム解読の基盤となる情報を整備しました。 本解析は2017年度先進ゲノム支援の支援課題としておこなわれたものです。