原始卵胞形成過程における顆粒膜細胞の遺伝子発現を解析

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2021-05-06 国立遺伝学研究所

ヒトを含む哺乳動物のメスが長期に渡り卵子を作り続けるためには、その元となる原始卵胞を十分な数形成することが重要です。原始卵胞は一つの”卵母細胞”とそれを取り巻く顆粒膜細胞と呼ばれる体細胞から構成されています。原始卵胞の形成には、卵母細胞と顆粒膜細胞の前駆体である顆粒膜前駆細胞との相互作用が必要だと考えられますが、そのメカニズムについてはほとんど知られていませんでした。そこで本研究では原始卵胞の形成過程における顆粒膜細胞前駆体の遺伝子発現変化を読み解くことで、この謎に挑みました。その結果、原始卵胞の形成に伴い、細胞外マトリックス、細胞接着、数種類のシグナル伝達経路等に関する遺伝子の顕著な発現変動が起きていることが明らかになりました。また、生殖細胞が正常に発生しない変異マウスでは顆粒膜前駆細胞から顆粒膜細胞への分化が遅れ、分化に関わる遺伝子発現変化も阻害されていることが分かりました。これらの結果は、卵母細胞の適切な発生が顆粒膜前駆細胞の分化に必要であることを示唆しています。また、本データは、原子卵胞形成に関わる遺伝子制御ネットワークを理解するための貴重なリソースになることが期待されます。

図:原始卵胞を構成する顆粒膜細胞前駆体(緑)はそのGATA4陽性の細胞(青)から分化する。この分化過程に生殖細胞は必要ではないが(青矢印)、顆粒膜細胞への分化に卵母細胞が必要である(赤矢印)。

Decoding the transcriptome of pre-granulosa cells during the formation of primordial follicles in the mouse

Kurumi Fukuda, Masafumi Muraoka, Yuzuru Kato, and Yumiko Saga

Biology of Reproduction 2021 April 13 DOI:10.1093/biolre/ioab065

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