プロテインアレイを用いた大規模探索で細胞死や炎症に関わる相互作用ペアを多数発見

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2021-06-07 愛媛大学

愛媛大学大学院医学系研究科解析病理学大学院生のZhou Wei(ジョウ ウェイ)さんと、プロテオサイエンスセンターの竹田浩之(たけだ ひろゆき)准教授、増本純也(ますもと じゅんや)教授らを中心とする研究グループは、細胞死や組織に炎症を誘導するシグナル伝達に重要な役割を果たす「デスドメインスーパーファミリー」と呼ばれるタンパク質の部品(ドメイン)のセット(プロテインアレイ)を世界で初めて作製し、それを用いた大規模試験で新規の相互作用ドメインの組み合わせを多数発見することに成功しました。この研究には、愛媛大学独自の技術であるコムギ胚芽無細胞タンパク質合成技術、プロテインアレイ作製技術、高速スクリーニング技術が活用されました。

デスドメインスーパーファミリーを持つタンパク質同士の相互作用(結合)は、細胞内のシグナル伝達で重要な役割を担っており、細胞死や組織の炎症を誘導します。このデスドメインスーパーファミリーの結合に異常をきたすと、希少難病である自己炎症疾患、自己免疫疾患や免疫不全症を引き起こします。しかし、ヒトはデスドメインスーパーファミリータンパク質を100種類以上持っており、その組み合わせは1万を超えます。これまで、この多数の組み合わせのうち、強く結合して細胞にシグナルを伝えるドメインのすべての組み合わせが明らかになっていなかったので、症状のひとつひとつの原因を解明し、それに対する治療薬を開発することが困難でした。

Zhouさんらの研究によって、強く結合するデスドメインスーパーファミリータンパク質間の組み合わせが明らかになりました。この成果により、これらの疾患の詳細な病態解明が進むものと考えられます。また、特定のデスドメインスーパーファミリー同士の過剰な結合を抑える薬剤を開発することで、これらの疾患の新たな治療法の開発につながる可能性があります。

本研究成果は、英国科学誌「Cell Death & Differentiation」に掲載され、オンライン版で公開されました(令和3年5月15日(日本時間))。また、論文掲載に先駆けて、本研究成果の一部を、令和2年9月に開催された第93回日本生化学会大会でも口頭発表しており、発表者のZhouさんは若手優秀賞を受賞しています。

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