動物胚の遺伝子発現を数式で表現~動物の胚葉形成システムをまるごと理解~

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2021-06-10 京都大学

佐藤ゆたか 理学研究科准教授らと望月敦史 ウイルス・再生医科学研究所教授らの研究グループは共同で、ホヤ(我々ヒトとおなじ脊索動物門に属する海産動物)の胚を用いた実験によって、内胚葉、中胚葉、外胚葉に特有の遺伝子発現のパターンが構築される論理を数式(ブール式)で表すことに成功し、この時期の胚の遺伝子発現動態をまるごと再現することを可能にしました。

動物の発生は、受精卵という一つの細胞に始まり、細胞分裂を繰り返しながら様々な細胞が生じていきます。この過程でゲノムDNAにコードされたプログラムが次々に遺伝子を発現させていきます。例えば、多くの動物の発生では最初に内胚葉(消化管の組織などのもとになる)、中胚葉(筋肉や骨格などのもとになる)、外胚葉(皮膚や神経などのもとになる)といった種類の細胞ができますが、先述の遺伝プログラムがそれぞれの種類の細胞に特有の遺伝子を発現させます。この遺伝プログラムの理解は体系的に進んでおらず、特にその動態を胚の単位でまるごと再現することは困難でした。

本研究成果によって、動物の初期胚の遺伝子発現の動きがまるごと計算可能になり、遺伝プログラムのシミュレーション実験などの幅広い応用が期待できます。

本研究成果は、2021年年6月10日に、国際学術誌「Science Advances」に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:佐藤ゆたか
研究者名:望月敦史

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細胞遺伝子工学
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