クジラの神経で環境汚染物質の毒性を知る

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座礁したクジラの組織から直接分化誘導した神経細胞を使って脳の健康状態を評価する

2021-07-27 愛媛大学

ポイント
  • 座礁した鯨類の組織から線維芽細胞を培養
  • 鯨類の線維芽細胞を再プログラム化して神経細胞へ直接分化誘導することに成功
  • 誘導神経細胞を用いて環境汚染物質の神経毒性を評価
クジラ誘導神経細胞にPCB代謝物を曝露することによってアポトーシスと神経変性が誘発
概要

愛媛大学沿岸環境科学研究センター(CMES)の研究チームは、カズハゴンドウ(Peponocephala electra)の体細胞を神経細胞へ直接分化誘導することに初めて成功しました。環境汚染物質の一種であるポリ塩化ビフェニル(PCBs)の代謝物(4’OH-CB72)をこの誘導神経細胞に曝露した結果、能動的な細胞死(アポトーシス)が観察されました。 4’OH-CB72を曝露したクジラ誘導神経細胞の転写産物(トランスクリプトーム)を網羅的に解析したところ、酸化的リン酸化・クロマチン分解・軸索輸送、および神経変性疾患に関連する遺伝子の発現量が変化していることがわかりました。本研究の結果は、2021年6月1日にアメリカ化学会の学会誌Environmental Science & Technologyに掲載されました。

詳しい資料は≫

お問い合わせ
愛媛大学沿岸環境科学研究センター 特任助教 落合真理
愛媛大学沿岸環境科学研究センター 教授 岩田久人

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生物環境工学
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