遺伝病を薬で治す~家族制自律神経失調症に対する低分子化合物による効果を実証~

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2021-07-28 京都大学

家族性自律神経失調症(familial dysautonomia;FD)はアシュケナージ系ユダヤ人種で頻度が高い遺伝病で、ヘテロ保因者は約30人に1人と遺伝性疾患の中でも特に高い疾患です。ほぼすべて(99.5%以上)のFD症例では第9番染色体におけるIKBKAPinhibitor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells, kinase complex-associated protein)遺伝子の変異(IVS20+6T>C変異)が疾患の原因になっています。この変異が存在するとIKBKAP遺伝子がコードするタンパク質(ELP1、またはIKAP)の発現が低下し、特に自律神経・感覚神経の発達異常、変性、衰退により知覚や非随意運動に様々な異常をきたします。近年、疾患原因の理解が進む一方で、現在もFDに対する有効な治療法は開発されていません。

今回、萩原正敏 医学研究科教授、網代将彦 同特定助教らの研究グループは、RECTASと呼ばれる低分子化合物がFDで見られるスプライシング異常を是正する機構を示し、iPS細胞やマウス等の疾患モデルの解析からその治療効果を示しました。FDと同様なスプライシング異常が原因となる遺伝病は数多くあり、今後はそれら疾患への応用も期待されます。

本研究成果は、2021年7月23日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。


図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:萩原正敏
研究者名:網代将彦

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