非接触型センサーを用いた手指動作解析で頚髄症をスクリーニング

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機械学習により疾患の有無を推定し早期診断・治療へ

2021-09-27 科学技術振興機構,東京医科歯科大学,慶應義塾大学

ポイント
  • 手指の動かしにくさや歩行のふらつきを引き起こす頚髄症(けいずいしょう)の簡便な検査方法が望まれていた。
  • 非接触型センサーを用いて手指の動きのデータを取得し、機械学習により疾患の有無を推定するツールを開発、専門医の診断と同等以上の高い精度を得た。
  • 専門医のいない環境でも簡単に検査し、早期診断と早期治療につなげることを目指す。

JST 戦略的創造研究推進事業において、東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科の藤田 浩二 講師、慶應義塾大学 理工学部の杉浦 裕太 准教授らの研究グループは、非接触型センサーを用いた手指動作解析と機械学習を組み合わせることにより、頚髄症を簡便にスクリーニングする方法を開発しました。

頚髄症は、頚部で脊髄が圧迫されることで手指の動かしにくさや歩行のふらつきを引き起こす疾患ですが、初期は自覚症状が乏しいことや、専門医以外では診断が難しいことなどから、専門病院を受診し頚髄症と診断されるまでの間に症状が悪化してしまうことがあります。そのため、早期診断と早期治療につながるスクリーニングツールの開発が望まれています。

本研究グループは、頚髄症の悪化に伴って手指の動きが悪くなることに着目し、その特徴を解析しました。非接触型センサーを使って手指の動作データを記録して、機械学習により、疾患の有無を推定するプログラムを作成しました。計1分程度の簡単な手指の運動をするだけで、専門医による既存の身体診察と同等以上の精度で頚髄症の可能性を検査できます。

開発したツールにより、専門医のいない環境でも頚髄症の可能性をスクリーニングできるようになります。検査により、頚髄症が疑われる場合には専門医受診を促し、早期診断、早期治療につなげることが可能となります。最終的には、疾患の重症化による身体機能の低下、社会的損失を防ぐことを目指します。

本研究成果は2021年9月24日、「Spine」に掲載されました。

本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。

JST 戦略的創造研究推進事業 AIP加速PRISM研究

研究課題:「健康貯金のための運動誘発AI基盤構築」(JPMJCR18Y2)

研究者:杉浦 裕太(慶應義塾大学 理工学部 准教授)

AIP加速PRISM研究は、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)推進費を活用しつつ、JSTのAIPネットワークラボにおける特定成果の強化・加速をはかるものです。
上記研究課題では、生活者が日常生活を送る中で、無意識に健康貯金が可能な情報基盤技術を構築することを目標とし、この技術によって生活者の健康寿命を延伸し、さらに身体能力の拡張を実現するものです。

JST 戦略的創造研究推進事業 さきがけ

研究領域:「人とインタラクションの未来」(研究総括:暦本 純一 東京大学 大学院情報学環 教授/株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 副所長)

研究課題:「セルフリハビリテーションを促進するシステム基盤構築」(JPMJPR17J4)

研究者:杉浦 裕太(慶應義塾大学 理工学部 准教授)

JSTはこの領域で、情報科学技術をはじめとする各種の技術により、人間と人間、人間と機械、人間と情報環境、人間と実世界環境などの多様な状況でのインタラクションの進展に資する人間の能力を拡張するための新たな技術や人間と環境が高度に調和する技術の創出、インタラクション理解のさらなる深化を目指します。
上記研究課題ではIoT技術を用いて、病院以外での地域包括ケアシステムや生活環境でリハビリ実施を促すシステム基盤を構築し、整形外科疾患における運動機能回復を目指します。

公益財団法人 整形災害外科学研究助成財団「アルケア賞」

研究課題:「非接触型センサーを用いた、頚椎症性脊髄症における巧緻運動障害評価法の開発と早期診断への応用」

研究者:小山 恭史(東京医科歯科大学 整形外科学分野 大学院生)

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Cervical Myelopathy Screening with Machine Learning Algorithm Focusing on Finger Motion Using Noncontact Sensor”
DOI:10.1097/BRS.0000000000004243
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
藤田 浩二(フジタ コウジ)
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 運動器機能形態学講座 講師

杉浦 裕太(スギウラ ユウタ)
慶應義塾大学 理工学部 情報工学科 准教授

<JST事業に関すること>
舘澤 博子(タテサワ ヒロコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 ICTグループ

<報道担当>
科学技術振興機構 広報課
東京医科歯科大学 総務部 総務秘書課 広報係
慶應義塾 広報室

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