2021-10-26 京都大学
脳MRIを用いて、脳の健康状態を数値化する、または脳年齢を計測するといった研究が世界中で行われています。この内の一つにITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で標準化されているBHQ(Brain healthcare quotient)という脳の健康指標があります。
渡邉啓太 オープンイノベーション機構特定准教授と山川義德 同特任教授らの研究グループは、脳MRIドック受診者1799人を対象に研究を行い、脳の灰白質容積から算出したGM(Gray Matter)-BHQが、海馬の容積計測と比較して、認知機能テストの結果と強く相関することを明らかにしました。
また、脳の萎縮が進行した時に、認知機能が低下する人と認知機能が保たれる人がいることに着目し、運動習慣や飲酒歴、喫煙歴、生活習慣病の有無などを調査しました。結果として、脳萎縮が進行していても認知機能が保たれている人は、大学や大学院を卒業しているなど教育年数が長いという特徴を明らかにしました。
本研究成果は、2021年10月22日に、国際学術誌の「Cortex」のオンライン版に掲載されました。
図:本研究の概要図
研究者情報
研究者名:渡邉啓太