2021-12-08 国立成育医療研究センター
国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)研究所の梅澤明弘所長らの研究グループは、ヒトES細胞の新たな細胞株を樹立しました。
今回の細胞株(SEES-X:シーズ・テン)は、2014年の再生医療関連法施行後に、当センターとして樹立したヒトES細胞です。再生医療や遺伝子治療、細胞治療などへの使用だけではなく、創薬開発など産業分野への使用についても、活用の幅を広げていることが特徴です。
また、ヒトES細胞を使用したい研究機関、企業に対して「無償」で提供いたします。
こういったことから、SEES-Xはヒトの生命科学やバイオヘルス産業の発展、あらゆるモダリティ※1のプラットフォームとしての活用に寄与すると期待されています。
本ヒトES細胞は、12月2日の文部科学大臣および厚生労働大臣の報告書受理をもって、樹立達成となります。
※1:モダリティ
医療や健康、社会福祉などの課題解決に対するアプローチの仕方のこと。例えば病気を治す場合、遺伝子治療や再生治療、薬など、様々な技術・方法が考えられます。その技術・方法の1つ1つを、モダリティと呼びます。
国立成育医療研究センターのヒトES細胞研究
国立成育医療研究センターは、国内に2つしかないES細胞樹立機関のうちの1つで、これまで8つのヒトES細胞を樹立してきました(SEES-1~-7、およびSEES-X)。当センターは、全国から難病の患者さんを受入れ、患者さん・ご家族に対し、治療だけではなく心のケアを含めたサポートを行っています。しかし、小児難治性疾患の中には、有効な治療法もなく、成人になっても医療を受けなければいけない疾患が多く存在しています。当センターでは、ヒトES細胞を応用して、新たな治療法の開発など研究を進めています。2020年には、ヒトES細胞由来の肝細胞をヒトに移植する世界で初めての医師主導治験を実施しています。
ES細胞(SEES-X)の使用ついてのお問い合わせ
今回樹立したSEES-Xは、無償で提供いたします。各機関が研究に使用できるよう、分配体制を整え、また分配機関への寄託も検討しています。使用には、使用計画の届け出が必要になりますので、まずは下記メールアドレスにお問い合わせをお願いいたします。
国立成育医療研究センター 研究所
再生医療センター SEES-X担当宛て
本件に関する取材連絡先
国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室