「つわりがあると赤ちゃんは大きく生まれるのに、 重いつわり(妊娠悪阻)では赤ちゃんが小さく生まれる」の謎を解明

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2022-04-20 国立成育医療研究センター

エコチル調査福岡ユニットセンター、国立成育医療研究センター社会医学研究部・森崎菜穂部長、教育研修室・永田知映室長、九州大学大学院医学研究院 保健学部門 産科婦人科・ 諸隈誠一教授らの研究チームは、エコチル調査の約10万人の情報を用いて赤ちゃんの出生時の体重に関する調査を行いました。一般的に「つわりがあると赤ちゃんは大きく生まれ、重いつわり(妊娠悪阻(にんしんおそ))があると赤ちゃんは小さく生まれる」と言われています。今回の調査では、この通説の理由のひとつに、妊娠悪阻の症状が治まったあと(妊娠中期後)の妊婦の体重の伸び悩みが関係していることを示唆する結果を発表しました。
本研究の成果は、令和4年3月12日に産科学分野の学術誌BMC Pregnancy and Childbirthに掲載されました。

つわりの画像

【「妊娠悪阻」と「妊娠中期までの体重増加」の有無による赤ちゃんの出生体重の違い】

発表のポイント

  • 「つわりがある妊娠では赤ちゃんは大きく生まれるのに、妊娠悪阻(にんしんおそ=つわりの重症型)を伴う妊娠では赤ちゃんは小さく生まれる」ことは国内外の多くの研究から分かっています。しかし、この一見相反するこの現象の原因は不明でした。
  • 本研究では、妊娠悪阻を伴う妊娠では症状が治まったあと(妊娠中期以降)も妊婦の体重が伸び悩むことが、赤ちゃんが小さく生まれる事象を部分的に説明できることを明らかにしました。
  • 人によっては妊娠中期以降も吐き気や嘔吐が続くことがあるので難しい面もありますが、今回の調査結果は一般的につわりの症状が収まるとされる妊娠中期以降の妊婦への教育的・栄養的介入により、赤ちゃんの母胎内での発育低下が予防可能である可能性を示唆する結果であるため、今後の介入開発が期待されます。

詳しい資料は≫

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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