ヒト軟骨内骨化の再現とシングルセルマルチオーム解析を用いた転写制御ネットワークの探求~ヒト骨発 機序の解明とその応用に向けて~

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2023-03-25 東京大学

発表のポイ ト
◆ヒト多能性幹細胞を用いて骨発過程(軟骨内骨化)を再現する方法を確立しました。
◆再現したヒト骨組織に対して世界で初めてシングルセルマルチオーム解析を応用し、骨発における転写制御ネットワークおよび転写因子ZEB2の機能について新たな知見を得ました。
◆本研究で得られた骨組織誘導法、シ グル ルマルチオ ムデ および解析手法は、将来的に骨統の病態解明や新たな治療法の確立に役立つことが期待されます。


研究の概要図

発表概要
東京大学大学院医学系研究科の谷彰一郎日本 学術振興会特研究員、田中栄教授、北條宏徳准教授、 東京大学大学院工学系研究科の鄭雄一教授、 大阪大学大学院歯学研究科の 庭伸介教授( 当時: 准教授、長崎 域(歯学系)教授)、米国コネチカット の David W. Rowe 教授をはじめとする国際共同グループは、ヒト多能性幹細胞から作製した骨組織を用いて骨形成過程に寄与する重要な転写因子注1群を解明しました。
主にマウスを用いた手法によって、骨発 過程において重要な複数の転写因子が明らかにされてきましたが、細胞種ごとに異なる転写因子同士の関係性やヒト骨組織での検証は今まで十分ではありませんでした。本グループは、ヒト多能性幹細胞を用いた骨発過程の再現と次世代シークエンサー(next-generation sequencer: NGS)を用いたシングルセル解析注2 (scRNA-seq 解析注3 および scATAC-seq 注4 を融合した最新のscMultiome解析注5)を駆使することで、ヒト骨発過程における様々な転写因子の組み合わせ(転写制御ネットワーク注6)の一端を明らかにしました。本結果は、ヒト骨発 のメカニズムや骨統の病態理解への寄与と新たな治療標的の発見や治療戦略の確立へと発展することが期待されます。

詳しい資料は≫

細胞遺伝子工学
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