2023-05-18 東京大学
東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科の藍川志津特任研究員、東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座の福井大和大学院生(医学博士課程:研究当時)、廣田泰准教授、大須賀穣教授らは、ヒト着床期子宮内膜や遺伝子改変マウスを用いた研究から、抑制的ヒストン修飾を介したエピゲノムの調節によって、子宮内膜に適切な細胞分化と正常な胚浸潤が起こることを世界で初めて明らかにしました。
不妊症は、全世界のカップルの15%が直面する健康問題です。生殖医療において体外受精・胚移植の技術進歩は目覚ましく、日本では全出生児の14人に1人が体外受精・胚移植によって誕生しています。その一方で、良好胚を選別し移植しているにも関わらず着床が成立しない着床不全が生殖医療最大の課題となっているものの、診断・治療法が確立していないのが現状です。本研究により難治性不妊症である着床不全の起こる仕組みが明らかになり、着床不全の新たな診断法開発に向けた臨床研究への展開が期待されています。
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