卵巣がん治療薬の効果を高めるSLFN11の機能を解明~PARP阻害薬の効果予測因子として期待~

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2024-07-16 愛媛大学

卵巣がん治療薬の効果を高めるSLFN11の機能を解明~PARP阻害薬の効果予測因子として期待~

愛媛大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座の大学院生 恩地裕史さん、愛媛大学プロテオサイエンスセンターの村井純子准教授、筑波大学医学医療系産科婦人科学の小林佑介准教授らは、主に卵巣がんの治療薬として使用されているPARP(パープ)阻害薬の治療効果を高めるSLFN11(Schlafen 11、シュラーフェンイレブン)タンパク質の機能を解明しました。PARP阻害薬は、日本では2018年に卵巣がん治療薬として承認された抗がん薬で、傷ついたDNAを修復するタンパク質であるBRCA1やBRCA2の機能に異常がある場合に、治療効果が高まることが知られています。本研究では、がん細胞がSLFN11タンパク質を多く発現する場合に、その治療効果がさらに高まることを明らかにしました。また、SLFN11がPARP阻害薬によって生じるDNAの隙間(ギャップ)を蓄積させることが、治療効果が高まるメカニズムであることを解明しました。今回の発見によって、がん細胞におけるSLFN11タンパク質の発現量が、PARP阻害薬の効果予測因子として利用できると期待されます。

論文情報

掲載誌:Oncogene
DOI: https://doi.org/10.1038/s41388-024-03094-1
題名:Schlafen 11 further sensitizes BRCA-deficient cells to PARP inhibitors through single-strand DNA gap accumulation behind replication forks
(和訳) BRCA欠損細胞において、SLFN11はPARP阻害薬の効果をさらに高める
著者:Hiroshi Onji, Sota Tate, Tomohisa Sakaue, Kohei Fujiwara, Shiho Nakano, Miho Kawaida, Nobuyuki Onishi, Takashi Matsumoto, Wataru Yamagami, Takashi Sugiyama, Shigeki Higashiyama, Yves Pommier, Yusuke Kobayashi, Junko Murai
責任著者:村井純子(むらい じゅんこ)、小林佑介(こばやし ゆうすけ)

プレスリリース資料はこちら(PDF 643KB)

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学プロテオサイエンスセンター
細胞増殖・腫瘍制御部門
村井 純子

有機化学・薬学
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