生物化学工学

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植物の地下での情報のやりとりを発見~地下茎で繋がった植物株間でのコミュニケーション~

地下茎で繁殖するイネ科植物が、地下茎を介した情報のやりとりにより、不均一な窒素栄養環境に巧みに応答して成長する仕組みを新たに発見しました。栄養繁殖をする野生イネ(オリザ・ロンギスタミナータ)のラメットが、不均一な窒素栄養条件に晒された場合、窒素欠乏側のラメットからの情報を受けて、窒素十分側のラメットで相補的に多くの窒素を吸収・同化し、窒素十分側のラメットの成長を優先させることで、群落として巧みに応答する仕組みを明らかにしました。
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改良オーキシンデグロンAID2による線虫個体における迅速なタンパク質の分解除去法の開発

線虫のタンパク質機能を解析するためには、そのタンパク質機能を欠損させて表現型を調べることが有効です。しかしながら、従来のAID法はオーキシン非添加時における弱い標的分解や、高濃度オーキシン投与による影響などの問題点がありました。去年開発した改良オーキシンデグロンAID2を線虫に応用し、線虫においてもAID2法を用いることでリガンド非特異的分解を完全に抑制し、従来の1/1300のリガンド濃度で迅速に標的タンパク質分解を誘導できることを見出しました。
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母親マウスは鼻で血を感知して探索・リスクアセスメント行動に出る~体外に出た血中ヘモグロビンが化学感覚 シグナルとなる~

マウスは外界にある血を鼻の中に取り込み、血中のヘモグロビンが化学感覚シグナルとして感知されることが明らかになりました。鼻に入ったヘモグロビンは、鼻腔下部に存在する鋤鼻(じょび)器官の神経組織に存在するGタンパク質共役型受容体の一つVmn2r88で受容されます。母親マウスでは、脳の視床下部の腹内側核背側部(VMHd)にヘモグロビンシグナルが伝達され、探索・リスクアセスメント様行動が表出することがわかりました
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メスで規則的な排卵をおこさせる脳内のしくみ ~メダカの脳を丸ごと使った神経活動の解析~

遺伝子改変したメスメダカの脳を丸ごと用いて神経活動を解析することで、脳内GnRH1ニューロンの高頻度の活動が規則的排卵を起こすことを発見しました。成熟卵巣から出されるホルモン信号と朝夕を知らせる何らかの時間信号がGnRH1ニューロンに伝わることで、このニューロンが活性化されることを明らかにしました。
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「友達」を記憶する、海馬の神経活動パターン~なぜ自閉症は友達を記憶しづらいのか?~

「友達についての記憶」を思い出している時に、記憶を貯蔵する海馬のニューロンがどのように活動をしているのかを、マウスを用いて明らかにしました。起きている時も寝ている時も、友達を思い出す時には、いつも決まった組み合わせのニューロンの集団が、決まった順番で活動していました。さらに友達を覚えづらい自閉症スペクトラムでは、この脳活動のパターンが乱れていることを発見しました。
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「授乳」をするサメ ホホジロザメに新発見‼ ミクロな観察からミルク分泌の仕組みが明らかに!

子宮から白色の液体(子宮ミルク)を分泌し胎仔を育てるホホジロザメの子宮表面を細胞レベルで観察しました。ミルク成分を含む子宮表面の細胞が「破裂」することでミルクが子宮内に放出されていることが判明し、哺乳類とは大きく異なるミルク分泌の仕組みであることを明らかにしました。
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植物のCDKAが太陽光の情報を伝達していることを発見

コケ植物を用いて細胞分裂に重要なタンパク質の新たな機能を発見することに成功しました。細胞分裂に関与する重要なタンパク質が,光合成や光屈性などの光応答にも重要であることを発見。このタンパク質は細胞骨格を制御することにより光応答も制御していることを解明。植物の光応答における受容体から細胞骨格までの未知の情報伝達経路の一部を解明。
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虫の飛行を司令する細胞を発見

モデル生物であるショウジョウバエにおいて、動物行動学と光遺伝学の手法を用いることで、昆虫脳において、飛行を司令する一群の神経細胞群を特定しました。動物の飛行を司令する脳経路を特定した初めての報告となります。
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シロアリが栽培するキノコの種類を特定

琉球列島には、シロアリが栽培するキノコが生息しています。形態的特徴から3種(オオシロアリタケ、トガリアリヅカタケ、シロアリシメジ)が記載されており、一昨年に新たな菌種(イケハラオオシロアリタケ)が見つかっていました。国内に生育するシロアリ共生性キノコについて、形態とDNA情報を用いた分子系統関係について調査を実施し、これらの菌類の正しい分類と名前を確定しました。
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白いワラビーの遺伝的原因を初めて解明~世界各地の動物園で相次いで誕生~

なぜ白い体色のワラビーが生まれるのかを追求し、初めて原因の解明に至りました。メラニン色素の合成には、チロシナーゼという酵素が大きく関与します。その酵素を作るための遺伝子に、高知県立のいち動物公園で 2015 年に生まれた白いワラビーのリリーでは、余分なDNAが入り込み、遺伝子の機能に影響していました。
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ビタミンCを脳に届ける運び屋を発見~必須栄養素研究における長年の謎を解明~

培養細胞や遺伝子欠損マウスを用いた実験などから、膜輸送体の一つであるSLC2A12トランスポーターが血液から脳へのビタミンC供給に重要な役割を果たすことを見いだし、「ビタミンC排出タンパク質:VCEP」と名付けました。
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オス性行動のモチベーションを調節する脳内のしくみ

脳内の同じニューロン が作る2つの神経ペプチド GnRH3とNPFFが両方ともオスの性行動のモチベーションを調節することを明らかにしました。不明であったNPFFの行動における機能を発見すると共に、両神経ペプチドがバランスよく脳内で作用することで性行動がうまく制御される脳内のしくみを明らかにしました
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