将来の脳画像を予測する生成 AI を開発~生活習慣改善や脳ドックの付加価値向上に貢献~

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2024-01-16 株式会社NTTドコモ

株式会社 NTT ドコモ(以下、ドコモ)は、MRI で撮影した脳画像から将来の脳画像を予測し、自動生成する AI(以下、本技術)を開発しました。本技術は、将来の脳の委縮や記憶力に関連するといわれている海馬の体積の変化を可視化するものです。可視化された将来の脳画像を見ることで、自身の生活習慣を健康的にするなど、利用者の行動変容を支援します。

2025 年には高齢者の 5 人に 1 人が認知症状態であると推計されており※1 、認知症の患者やその家族が安心して生活できる共生社会の実現は、大きな社会課題となっています。脳の健康を維持・改善するためには、健康的な生活習慣を送ることに加え、定期的な脳ドックの受診といった意識的な行動が大切ですが、自身の生活習慣が脳の健康にどのように影響するかを想像することが難しいという課題がありました。

この課題に対し、YUADの医学博士・精神科医・認知症専門医千葉悠平医師による医学的監修と、株式会社 Biomy による協力のもと、脳画像に画像生成技術の一つである GAN(敵対的生成ネットワーク)※2 を活用することで、MRI で撮影した脳画像から将来の脳画像を予測する生成 AI を開発しました。脳全体や認知症、記憶力と関連するといわれている海馬の体積が将来どのように変化するかを予測し、画像を生成します。本技術により、専門家でなくても脳の状態を理解することが可能となり、健康的な生活習慣への改善や定期的な脳ドック受診につながることが期待されます。

今後は、スマートフォンやアンケートから得られる生活習慣情報なども加味した将来の脳画像の生成や、脳を健康に保つための行動変容を促す AI の開発に取り組んでまいります。また、ヘルスケアアプリや脳ドックと連携し、生活習慣改善や脳ドックの受診意識の向上、脳ドックレポートの付加価値向上を実現し、健康寿命の延伸や医療介護費の抑制などの社会課題解決に貢献してまいります。

本取り組みは、パートナーとともに人々の生活がより豊かになる技術の価値検証を行うドコモの「ライフスタイル共創ラボ」※3 の取り組みの一環であり、さまざまな産業分野で活用する「イノベーション共創基盤」の開発も行ってまいります。

なお、「将来の脳画像を予測する生成 AI」の取り組みは、2024 年 1 月 17 日(水)より開催する「docomo Open House’24」 へ出展します。
(https://docomo-openhouse24.smktg.jp/public/application/add/32)

※1 内閣府、平成 29 年高齢者白書より引用
※2 本物に似たデータを生成する生成器と、本物のデータかどうかを見分ける判別モデルが、競い合いながら学習することで、高品質なデータを生成する技術
※3 報道発表資料 「人々の生活がより豊かになる技術の価値検証をパートナーと実施する「ライフスタイル共創ラボ」を開始」 https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2021/09/30_02.html

*「YUAD」は、千葉悠平医師の登録商標です。

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
株式会社 NTT ドコモクロステック開発部都市デザイン技術開発担当

別紙

将来の脳画像を予測する生成 AI の概要

脳の神経画像のデータセットが提供されている Open Access Series of Imaging Studies から約 500 人、約 15 万枚の脳画像のデータセット※1 を取得・活用し、画像生成 AI モデルのひとつである GAN をもとに脳画像生成 AI を開発しました。モデルに年齢などの情報を入力するタイミングを工夫することで、生成する画像に年齢などの情報が反映されやすくなっています※2 。

将来の脳画像を予測する生成 AI を開発~生活習慣改善や脳ドックの付加価値向上に貢献~
図 1. AI で生成した脳画像


図 2. AI のデモ画面別紙

※1 Acknowledgements: “Data were provided by OASIS 3: Longitudinal Multimodal Neuroimaging: Principal Investigators: T. Benzinger, D. Marcus, J. Morris; NIH P30 AG066444, P50 AG00561, P30 NS09857781, P01 AG026276, P01 AG003991, R01 AG043434, UL1 TR000448, R01 EB009352. AV-45 doses were provided by Avid Radiopharmaceuticals, a wholly owned subsidiary of Eli Lilly.” ※2 特許出願中

医療・健康
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