不育症(習慣流産)の発症に関わる遺伝子の発見~生殖免疫学と細胞接着分子の関与が明らかに~

ad

2024-07-17 東京大学,名古屋市立大学,大阪大学,理化学研究所

発表のポイント

◆原因不明の不育症(習慣流産)のゲノムワイド関連解析を実施し、発症に関わる遺伝子領域(HLA 遺伝子、CDH11 遺伝子)を同定しました。
◆不育症の発症に遺伝的背景が存在し、免疫学的妊娠維持機構及び細胞接着分子が関わることを初めて明らかにしました。
◆不育症の病態機序の解明に貢献し、将来的には新しい診断法や治療法の開発に繋がることが期待されます。

不育症(習慣流産)の発症に関わる遺伝子の発見~生殖免疫学と細胞接着分子の関与が明らかに~

概要

東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学の曽根原究人助教(大阪大学大学院医学系研究科 遺伝統計学 招へい教員)、岡田随象教授(大阪大学大学院医学系研究科 遺伝統計学 教授、理化学研究所生命医科学研究センターチームリーダー)と、名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科学の矢野好隆病院助教、杉浦真弓教授らによる研究グループは、臨床的に原因が指摘できない不育症のゲノムワイド関連解析(注 1)を行い、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域(注 2)内のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子(注 3)の遺伝子多型(注 4)がその発症に関与することを明らかにしました。また、ゲノム上の大規模なコピー数変異(CNV)(注 5)を解析することで、細胞接着分子であるカドヘリン 11(CDH11)遺伝子が発症に関与することを明らかにしました。本研究は不育症に関する過去最大規模のヒトゲノム解析を通じて、その原因不明の病態に生殖免疫学と細胞接着分子が関与することを示したものです。本研究は不育症の詳細な病態機序の解明に繋がり、将来的には同疾患の新しい診断法や治療法の開発に繋がることが期待されます。
本研究成果は国際科学誌「Nature Communications」(オンライン版:英国夏時間 7 月 17 日)に掲載されました。

詳しい資料は≫

医療・健康
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました