2024-09-10 東京大学
発表のポイント
◆減塩食品への経皮電気刺激による味覚増強効果を官能評価で検証し、低濃度(0.3%、0.6%)でも塩味増強効果があること、液体や固体、和洋中様々なジャンルの6種の減塩食品について優位な塩味の増強があることが確認されました。
◆既存技術では増強の難しい咀嚼・嚥下中、固体系食品にも塩味増強効果が見込めます。
◆薄味の減塩食品の塩味を塩分の追加なく増強でき、世界的な健康課題である塩分過剰摂取防止に役立つことが期待されます。
概要
味の素株式会社、東京大学大学院情報学環 暦本純一研究室・中村裕美特任准教授 (研究当時、現 : 東京都市大学准教授)、お茶の水女子大学 SDGs 推進研究所・笠松千夏特任教授 (研究当時、現 : 東京家政学院大学特任教授) らによる共同研究グループは、経皮電気刺激(注1)を用いた味覚増強技術において、低濃度(0.3%、0.6%)の食塩水への有意な塩味増強効果と、液体や固体、和洋中様々なジャンルの6種の減塩食品に対する有意な塩味の増強および風味への影響を実証しました。先行研究とされる食器型装置での味覚電気刺激に比べ、咀嚼・嚥下中でも電気刺激の効果があり、液体系だけでなく固体系食品にも応用が可能であり、世界的な健康課題である塩分過剰摂取防止に役立つことが期待されます。今回、この経皮電気刺激によって複数の食品の味がより強まることを実証した一連の研究成果が、Hypertension Research 誌に掲載されました。