複数の位置を記憶する空間迷路課題をラットに解かせて検証
2018-02-11 東京大学大学院薬学系研究科
1.発表者 佐々木 拓哉(東京大学大学院薬学系研究科 薬学専攻 助教)
2.発表のポイント
◆複数の作業記憶(ワーキングメモリ)が必要とされる迷路行動課題をラットに解かせて、神経活動を記録した結果、海馬-歯状回が作業記憶に必要な脳領域であることを示しました。
◆従来、作業記憶は、前頭皮質や大脳基底核などの脳領域が重要と考えられてきましたが、本研究では、新たに海馬-歯状回の重要性を示唆しました。さらに本研究では、記憶すべき事 項に対応した神経細胞の活動が、記憶の更新と共に次々と変動することを発見しました。
◆本研究により、作業記憶の実体の一側面が解明されました。この結果は、適切かつ効率的に複数の作業を進めるための脳情報処理メカニズム解明への布石となります。
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/cgi/news/data/1516522073_1.pdf