2019.09.05 愛媛大学
愛媛大学医学部附属病院地域医療支援センターの熊木天児(くまぎ てる)准教授と第三内科(診療科長:日浅陽一教授)らの研究グループは、この度、膵臓がんの早期診断に繋がる研究成果を発表しました。
当院の第三内科および関連病院による「愛媛膵臓胆道疾患研究グループ(代表:熊木天児)」では、早期診断の難しい膵臓がんの臨床研究を行っています。
今回の研究成果では、肝臓病患者が定期的に受ける腹部画像検査によって、通常よりも早い段階で膵臓がんと診断されているケースがあることを明らかにしました。これは、主たる目的とは異なる検査において、膵臓の間接所見(特に主膵管拡張)が指摘された場合でも、専門の医療機関で精密検査を受けることで膵臓がんの早期診断に繋がることが期待できると考えられます。
今後は、この結果をもとに、膵臓がんとは関係の薄い症状で受けた検査や人間ドックなどによって、偶然、膵臓に異常が見つかった場合は、たとえ症状が無くても専門医のもとで精密検査を受けることを推奨する必要があると言えます。
なお、本研究成果は、世界的に評価の高い病院が発刊する英文雑誌「Mayo Clinic Proceedings」にオープンアクセスとしてオンライン掲載されました。
掲載誌
Mayo Clinic Proceedings (https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2018.12.034)
YouTube(英語によるビデオクリップ):https://youtu.be/lhUtrr1TsV4
題名
Early detection of pancreatic cancer in patients with chronic liver disease under hepatocellular carcinoma surveillance
著者
Kumagi T, Terao T, Yokota T, Azemoto N, Kuroda T, Imamura Y, Uesugi K, Kisaka Y, Tanaka Y, Shibata N, Koizumi M, Ohno Y, Yukimoto A, Tange K, Nishiyama M, Kanemitsu K, Miyake T, Miyata H, Ishii H, Hiasa Y, Ehime Pancreato-Cholangiology (EPOCH) Study Group.