糖尿病の薬で皮膚の難病を発症するリスク因子を発見

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2017-12-7 理化学研究所,北海道大学

ポイント

・糖尿病治療薬「DPP-4 阻害薬」*1を服用中に,難病「水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)」*2を発症することがある。
・発症患者の 9 割弱が,特定の白血球型(HLA*3遺伝子)をもつことを発見。
・DPP-4 阻害薬で水疱性類天疱瘡を発症するリスクの予測や,発症メカニズムの解明が期待される。

概要

DPP-4 阻害薬は,糖尿病の治療薬として広く使用されている飲み薬です。しかし,この薬を服用すると,厚生労働省の指定難病である水疱性類天疱瘡を発症するケースがあることが知られています。
この疾患は,自らの免疫が皮膚のタンパク質を攻撃してしまう難治性の自己免疫疾患であるため,いったん発症すると,患者の QOL(Quality of Life;生活の質)に大きな影響を及ぼします。
今回,北海道大学病院の氏家英之講師らの研究グループは,DPP-4 阻害薬の服用によって生じた「非炎症型水疱性類天疱瘡」患者の 86%が,特定の白血球型,すなわち「HLA-DQB1*03:01」という
HLA 遺伝子をもつことを発見しました。この白血球型の保有率は一般的な日本人で 18%であるのに対し,DPP-4 阻害薬を服用している 2 型糖尿病患者では 31%であり,さらに非炎症型水疱性類天疱瘡を併発している患者では 86%と,統計的に高頻度でした。今回同定された HLA 遺伝子は,DPP-4阻害薬の服用による水疱性類天疱瘡の発症リスクを予測する疾患バイオマーカー*4 として活用されることが期待できます。
なお,本研究成果は,イギリス時間 2017 年 12 月 6 日(水)公開の Journal of Investigative
Dermatology 誌に掲載されました。

糖尿病の薬で皮膚の難病を発症するリスク因子を発見

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医療・健康
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