アサガオの花びら(花冠)がまっすぐに伸びる力学的な仕組みを解明

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2021-03-16 国立遺伝学研究所

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京都府立大学の武田征士准教授(細胞工学研究室)、奈良先端科学技術大学院大学の津川暁特任助教(植物代謝制御研究室)らの共同研究グループは、江戸時代から知られている変化アサガオのひとつで、花びらが折れ曲がる「台咲(だいざき)」系統を材料に、花びらがまっすぐに伸びる力学的な仕組みを明らかにしました。花器官表面にあるミクロ構造「分泌腺毛」が、器官どうしの摩擦を軽減することで、狭いつぼみの中でも花びらが伸長できることが分かりました。この仕組みを応用し、観賞用の花の形を自在に制御する園芸技術につながる可能性があります。

本研究は、文部科学省および日本学術振興会の科学研究費補助金(JP18K06366, JP18H05484, JP18H0548, JP18H04787)文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(S1511023)、国立遺伝学研究所NIGJOINT(44A2020)の支援を受けて行われました。

本研究成果は、国際学術誌「Communications Biology」に、令和3年3月5日10時 (GMT)に掲載されました。

遺伝研の貢献
マイクロフォーカスX線CT装置を用いてアサガオ蕾のCTスキャンを行い、蕾内部の花弁等の主要器官や維管束構造の観察に貢献しました。本解析は2020年度国立遺伝学研究所共同研究(NIG-Joint)として行われたものです。

本研究はNBRPアサガオのリソースを活用して遂行されました。

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図: 野生型(左)と台咲(右)の花
野生型では花弁がまっすぐ伸長して漏斗状になる。台咲では花弁が2度折れ曲がり、花の中央に筒状の「台」と呼ばれる構造を作る。

動画: 本成果のmicroCTによるアサガオ蕾の解析部分を抜粋し要約。
①スキャンしたサンプルと装置
②3次元表示動画による外観観察
③注目部位を拡大スキャンしたデータの2次元および3次元表示動画による詳細な観察

Reduction in organ-organ friction is critical for corolla elongation in morning glory.

Ayaka Shimoki, Satoru Tsugawa, Keiichiro Ohashi, Masahito Toda, Akiteru Maeno, Tomoaki Sakamoto, Seisuke Kimura, Takashi Nobusawa, Mika Nagao, Eiji Nitasaka, Taku Demura, Kiyotaka Okada, Seiji Takeda.

Communications Biology 4, 285 (2021) DOI:10.1038/s42003-021-01814-x

詳しい資料は≫

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生物化学工学
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