家族性地中海熱の責任遺伝子MEFVの働きを迅速に解析する検査方法を開発

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2021-04-20 京都大学

本田吉孝 医学研究科特定病院助教、前田由可子 同博士課程学生、井澤和司 同助教、八角高裕 同准教授、西小森隆太 久留米大学教授らの研究グループはMEFVの病原性バリアントをヒト単球系細胞株(THP-1)へ強制発現すると、パイリンインフラマソームが過剰に活性化し強い細胞死が誘導されることを発見しました。

パイリンインフラマソームという細胞内のタンパク質複合体は、からだの中に侵入した特定の病原体や毒素を検出し、免疫系を活性化してそれらを排除する働きを持ちます。その主要な構成要素であるパイリン(pyrin)はMEFVという遺伝子によって作られています。MEFV遺伝子に変異が起きてその働きが活性化しすぎると、からだの中で過剰な炎症が起こり、家族性地中海熱を含むpyrin-associated autoinflammatory diseases(パイリン関連自己炎症疾患=PAADs)という疾患を引き起こします。

PAADsを診断するには患者の症状に加え、遺伝子検査を行うことが重要です。遺伝子検査を行うと様々なバリアントが見つかりますが、注意が必要なのは見つかったバリアントが必ずしも病気と関係しているとは限らないという点です。患者を診療する際には、こうした病気とは無関係のバリアントと、病気と関係のある病原性バリアントとを区別して考える必要があります。MEFV遺伝子には380個を超えるバリアントが報告されていますが、これらが果たして病気と関係するのか否かを簡単に区別する方法はこれまで確立されていませんでした。そのため、MEFV遺伝子にバリアントが見つかっても本当に病気の原因なのかはっきりしないことも多く、PAADs患者の診療における大きな課題でした。

本研究で発見した検査法を用いてMEFVバリアントの病原性(=病気と本当に関係するかどうか)を迅速に判別することで、より正確に遺伝子検査の結果を解釈できるようになりPAADs患者の迅速で適切な診断・診療につながることが期待できます。また、PAADsのさらなる病態解明の助けとなる可能性があります。

本研究成果は、2021年3月17日に、国際学術誌「The Journal of Clinical Immunology」に掲載されました。

本研究の概要図図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:本田吉孝
研究者名:井澤和司
研究者名:八角高裕

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