体内で放射線がん治療を行う「アルファ線内用療法」に必要な材料、アクチニウム225の高効率・高品質な製造技術を世界で初めて確立

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体内に広く分散したがんに有効な放射線治療方法の早期実用化に貢献

2021-10-19 京都大学

大槻勤 名誉教授(複合原子力科学研究所特任教授)は、株式会社日立製作所、東北大学と共同で、放射線がん治療法の一つであるアルファ線内用療法に必要な、アクチニウム225(以下、アクチニウム)を、高効率・高品質に製造可能な技術を世界で初めて確立しました。

アルファ線内用療法は、がん細胞を破壊するアルファ線を放出する物質と、がん細胞に選択的に集積する薬剤を組み合わせた治療薬(アルファ線治療薬)を患者に投与し、体内からがん細胞を攻撃する新しい治療法です。体内に広く分散したがん細胞など、既存の方法では治療困難ながんにも効果があることが知られ、早期実用化が期待されています。今回、本研究グループはラジウム226を原料とし、電子線形加速器を用いることで、分離できない不純物を生成せず、高品質なアクチニウムを効率よく製造できる技術を確立しました。

今後、本研究グループは、本製造技術の実用化に向けた研究開発を進め、アルファ線内用療法の早期実用化と、がん患者のQuality of Life(QoL)向上に貢献していきます。

本研究成果は、2021年10月20日~23日に開催される第34回欧州核医学会において、Top Rated Oral Presentationとして発表されます。

アルファ線内用療法の原理図:アルファ線内用療法の原理

詳しい研究内容≫

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