デグロン技術はなぜ細胞核機能の研究に役立つのか?

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2022-01-20 国立遺伝学研究所

鐘巻研究室・分子細胞工学研究室
Ligand-induced degrons for studying nuclear functions
Masato T. Kanemaki
Current Opinion in Cell Biology, advanced online publication (2022) 74, 29–36 DOI:10.1016/j.ceb.2021.12.006

転写、DNA複製、DNA修復等の核内反応は、細胞増殖や染色体分配と密接に関係しています。通常培養細胞は24時間程度で2倍に増殖するため、核内反応に関与するタンパク質の機能を調べるには、数分〜数時間以内に標的タンパク質を除去し、その影響を調べることが、二次的影響を避けるために重要です(図1)。標的タンパク質を迅速分解除去することを可能にする「デグロン法」は、まさに細胞核機能の研究に適した手法といえます。

図1:デグロンとsiRNAを用いた際の、標的タンパク質除去の影響比較

本総説論文では、当研究室が開発したオーキシンデグロン(AID)法を含め、これまでに開発されたデグロン技術を説明し、それらがどのような細胞核機能研究に役立ってきたかを紹介しました(図2)。デグロン技術は比較的新たな研究手法であるため、今後多くの細胞核機能研究に役立つと予想されます。

Figure1

図2:これまでに開発されたリガンド依存的デグロン法。AID法以外は、創薬分野で利用が期待される標的タンパク質分解薬技術を応用している。


本論文はCurrent Opinion in Cell Biology誌が2022年6月に発行する「細胞核」特集号に掲載されます。この特集号は遺伝研の前島一博教授及び、イスラエル・ヘブライ大学のEran Meshorer教授によって編集されています。

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