「授乳」をするサメ ホホジロザメに新発見‼ ミクロな観察からミルク分泌の仕組みが明らかに!

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2022-01-28 沖縄美ら島財団

一般財団法人沖縄美ら島財団(沖縄県本部町)、東京大学大気海洋研究所(千葉県)の研究グループは、子宮から白色の液体(子宮ミルク)を分泌し胎仔を育てるホホジロザメの子宮表面を細胞レベルで観察しました。その結果、ミルク成分を含む子宮表面の細胞が「破裂」することでミルクが子宮内に放出されていることが判明し、哺乳類とは大きく異なるミルク分泌の仕組みであることを明らかにしました。
これは当財団が所蔵する世界で唯一の妊娠初期の子宮標本を調査することで明らかになったもので、謎多き本種の繁殖メカニズムを解明した非常に貴重な成果です。

発表雑誌
  • 雑誌名:The Anatomical Record
  • 論文名:Mode of uterine milk secretion in the white shark (ホホジロザメの子宮ミルクの分泌様式)
  • 著者名:冨田武照1、中村將1、野津了1、小川展弘2、戸田実1、佐藤圭一1
    (1一般財団法人沖縄美ら島財団、2東京大学大気海洋研究所)
  • 掲載日:2022年1月29日(電子版)
ポイント
  • ホホジロザメは妊娠初期に子宮ミルクを分泌し、胎仔を育てることが知られている。
  • 世界で唯一の妊娠初期の子宮標本を調査し、ミルク分泌の仕組みを明らかにした。
  • 子宮内面の細胞がミルクを蓄え、その細胞が破裂することでミルクが供給されることが分かった。
  • この仕組みは、哺乳類のミルク分泌の仕組みと大きく異なる。

:調査した妊娠初期のホホジロザメ 左 )と、子宮中に確認された「子宮ミルク」 右
図1:調査した妊娠初期のホホジロザメ(左)と、子宮中に確認された「子宮ミルク」(右)

代表研究者プロフィール
冨田武照(とみた たけてる)
  • 2011年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了
  • フロリダ州立大学研究員等を経て、2015年より当財団総合研究センター所属
  • 専門はサメ・エイ類の機能形態学、形態進化学の研究

詳しい資料は≫

お問合せ
一般財団法人 沖縄美ら島財団 企画広報課 仲宗根・宮内
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生物化学工学
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