2022-03-07 京都大学
降籏隆二 環境安全保健機構准教授らの研究グループは、ピッツバーグ大学で開発された睡眠の健康を多角的に測定するための睡眠質問票である「RU-SATED」の日本語版(RU-SATED-J)を作成し、その信頼性と妥当性を検証しました。
RU-SATED-Jは、英語版を元に、厳格な翻訳手順によって作成しました。質問紙は6つの質問で構成されており、3つの選択肢から1つの回答を選択し、それぞれのスコアの合計得点(範囲0-12)を算出します。
次に、RU-SATED-Jの信頼性と妥当性を検証するために、日本人(n=177、平均年齢42.8±11.6歳)を対象としてアンケート調査を実施しました。合計得点は平均8.21±2.72で、最小0点から最大12点までの範囲でした。尺度の全体的な内部信頼性を示すCronbachのα係数はα=0.758でした。探索的因子分析の結果、2因子構造でした。確認的因子分析を行い、高次因子モデルの適合度を調べると、RMSEA<0.001、CFI=1.00などとなり、因子の妥当性が確認されました。これらの結果によりRU-SATED-Jの信頼性と妥当性が確認されました。
RU-SATED-Jは、多角的に睡眠の健康を測定する新しい尺度として有用であることがわかりました。今後は臨床研究や多くの人を対象とした調査での幅広い利用が求められます。
本研究成果は、2022年2月28日に、国際学術誌「Sleep Medicine」にオンライン掲載されました。
図:本研究のイメージ図
研究者情報
研究者名:降籏隆二