致死的な出血熱を引き起こすマールブルグウイルスの増殖機構を解明

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エボラ・マールブルグウイルスの創薬に期待

2022-03-07 京都大学

野田岳志 ウイルス・再生医科学研究所教授(兼・生命科学研究科教授)、藤田陽子 同博士課程学生、杉田征彦 白眉センター特定助教、高松由基 国立感染症研究所主任研究官、五十嵐学 北海道大学准教授、Stephan Becker フィリップ大学マールブルク教授らの研究グループは、マールブルグウイルスのウイルス核タンパク質-RNA複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡解析により明らかにしました。本成果から、ヒトに致死的な出血熱を引き起こすマールブルグウイルスとエボラウイルスの増殖機構の一端が明らかになりました。

マールブルグウイルスは細胞で増殖する際、ウイルス遺伝子とウイルス核タンパク質から構成される螺旋状のヌクレオカプシドを形成します。ヌクレオカプシドはウイルス遺伝子を転写・複製し、ウイルス増殖環の中心を担う複合体ですが、その形成機構はこれまでわかっていませんでした。本研究グループは、マールブルグウイルスのヌクレオカプシドのコア構造であるウイルス核タンパク質-RNA複合体(NP-RNA複合体)の立体構造を原子レベルで決定し、その形成に重要な相互作用を明らかにしただけでなく、マールブルグウイルスとエボラウイルスのNP-RNA複合体の構造が非常に類似していることを明らかにしました。本研究成果は、マールブルグウイルス・エボラウイルスの増殖機構の解明と創薬に大きく貢献することが期待されます。

本研究成果は、2022年3月4日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

本研究のイメージ図
図:本研究のイメージ図

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研究者情報
研究者名:野田岳志
研究者名:杉田征彦

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