骨形成に必須の転写因子 Runx2 によるゲノム DNA の制御機構が明らかに~DNA 設計図に基づく骨の発生機構の理解に向けて~

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2022-09-07 東京大学

1. 発表者:
北條 宏徳(東京大学 大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター臨床医工学部門 准教授)
鄭 雄一(東京大学 大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター臨床医工学部門 教授)
大庭 伸介(大阪大学 大学院歯学研究科 口腔分化発育情報学講座 口腔解剖学第一教室 教授)

2. 発表のポイント:
◆骨組織を構成する骨芽細胞と軟骨細胞の発生過程において遺伝子発現を制御する仕組みの解明に取り組みました。
◆骨の発生に必須な転写因子として知られる Runx2 が、ゲノム DNA の構造を制御することで、骨格系細胞の運命決定を担うことを明らかにしました。
◆本研究を通して DNA 設計図から骨発生機構の一端を理解することが可能になりました。今後、骨の再生医療や、骨の病気の治療法の確立に役立つことが期待されます。

3.発表概要:
東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センターの北條宏徳准教授、鄭雄一教授、大阪大学大学院歯学研究科口腔分化発育情報学講座の大庭伸介教授(研究当時:東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター准教授、長崎大学生命医科学域(歯学系)教授)、米国南カリフォルニア大学のアンドリュー・マクマホン教授をはじめとする国際共同研究グループは、骨組織を構成する主要な細胞である骨芽細胞と軟骨細胞の発生機構の一端を解明しました。
骨の発生には遺伝子発現を制御するタンパク質 Runx2 が必要であることが以前から分かっていましたが、Runx2 がゲノム DNA のどこに・どのように作用するのか、その制御機構は十分に分かっていませんでした。本研究グループは、次世代シークエンサー解析、マウス遺伝学に加えて、ゲノム編集技術と一細胞解析を融合した最新の解析技術を駆使することで、Runx2 を介する骨芽細胞と軟骨細胞の遺伝子発現機構の一端を明らかにしました。本結果は、骨発生メカニズムの理解と新たな骨再生戦略の確立へと発展することが期待されます。本研究成果は、2022 年 9 月 6 日(米国東部標準時間)に米国科学誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。
本研究は、主に科研費「若手研究(A)(課題番号:17H05106)」、「基盤(B)(課題番号: 20H03885)」、「基盤(B)(課題番号:17H04403)」、「挑戦的研究(萌芽)(課題番号: 21K19589)」、「先進ゲノム支援 (PAGS) (課題番号:16H06279)」、AMED「再生医療実現拠点ネットワークプログラム(課題番号:JP21bm0704071)」の支援により実施されました。

詳しい資料は≫

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