新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染モデルにおける脳の変化

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COVID-19による病態解明や治療法開発の加速に期待

2022-04-07 東京大学

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症によって引き起こされる症状は嗅覚障害や呼吸困難が有名ですが、認知機能の低下(Becker JH et al., 2021 JAMA)、強い倦怠感の持続や頭がボーっとする、といった”Brain fog”(Garner Paul, 2020, BMJ)などの中枢神経症状も報告されています。最新のヒト脳MRI研究からSARS-CoV-2感染後の脳構造が変化する(Douaud Gweaelle et al., 2022. Nature)ことも知られています。一方、SARS-CoV-2感染に伴い細胞レベルで脳にどのような変化が生じているかは不明でした。今回、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学、東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の山岨達也教授らおよび杏林大学保健学部臨床検査技術学科の石井さなえ准教授らの研究グループは、テキサス大学医学部ガルベストン校の研究グループとの共同研究によって、SARS-CoV-2感染後のシリアンゴールデンハムスターの嗅上皮と脳の組織を解析し、嗅上皮での嗅神経細胞と炎症細胞、脳での炎症細胞やシナプスの形態変化を明らかにしました。本研究の成果は、SARS-CoV-2感染による嗅覚障害だけでなく中枢神経症状の病態解明や治療シーズ開発を加速させると期待されます。

なお、本研究成果は2022年4月6日に、英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版にて発表されました。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染モデルにおける脳の変化

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医療・健康
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