世界初の研究成果!女性における魚介類摂取が頸動脈内膜中膜複合体厚に予防的 論文発表

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2022-10-25 愛媛大学

愛媛大学が主導する共同研究チーム(岐阜大学、順風会健診センター)が、女性において魚介類摂取が頸動脈内膜中膜複合体厚に予防的であることを示す研究成果を世界で初めて世界で初めて発表し、令和4年9月30日に学術誌「Journal of Atherosclerosis and Thrombosis」の電子版に公表されました。

魚介類や魚介類由来のn-3系不飽和脂肪酸摂取は、心血管疾患に予防的であることが知られています。一方、植物由来のn-3系不飽和脂肪酸、n-6系不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸摂取と心血管疾患リスクとの関連については結論が得られておりません。

今回、約1万人の成人を20年間追跡する「愛大コーホート研究」のデータの一部を活用し、魚介類及び多価不飽和脂肪酸摂取摂取と頸動脈内膜中膜複合体厚との関連を調べました。頸動脈内膜中膜複合体厚とは、心血管疾患の前段階である潜在性動脈硬化のことで、頸動脈超音波診断装置により頸動脈内膜中膜複合体厚を測定することで評価します。解析の結果、女性においては魚介類だけでなく総n-3系不飽和脂肪酸、魚介類由来のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、植物由来のαリノレン酸、リノール酸(主要なn-6系不飽和脂肪酸)、アラキドン酸(n-6系不飽和脂肪酸の一つ)の摂取は頸動脈内膜中膜複合体厚に予防的であることを認めました。一方、男性ではそのような関連は認めませんでした。

今後、更なる研究データの蓄積が必要となりますが、食習慣の変容により、心血管疾患の前段階にある潜在性動脈硬化を予防できる可能性を示す非常に関心の高い研究成果であるといえます。

論文情報

掲載誌:Journal of Atherosclerosis and Thrombosis
D O I:10.5551/jat.63781
題名:Fish and Polyunsaturated Fatty Acid Intake and Carotid Intima–Media Thickness in Japan: the Aidai Cohort Study in Yawatahama, Uchiko, Seiyo, and Ainan
著者:Yoshihiro Miyake, Keiko Tanaka, Chisato Nagata, Hidenori Senba1, Yasuko Hasebe, Toyohisa Miyata, Takashi Higaki, Eizen Kimura, Bunzo Matsuura, Ryuichi Kawamoto
責任著者:三宅 吉博(愛媛大学)

 

詳しい資料は≫

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学大学院医学系研究科
疫学・公衆衛生学講座
教授 三宅 吉博

医療・健康
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