芽を生み出すかどうか、植物カルス細胞の分化を運命づける因子を突き止めた 植物の器官再生能力を制御する新たな仕組みを発見

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農作物の組織培養効率を飛躍的に改善する技術開発に期待

2023-07-08 奈良先端科学技術大学院大学,新潟大学,理化学研究所,東京医科歯科大学,中部大学,科学技術振興機構

奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域の池内 桃子 特任准教授(理化学研究所 環境資源科学研究センター 客員研究員)と新潟大学 大学院自然科学研究科の小倉 菜緒(研究当時 博士前期課程;奈良先端大 特別研究学生)らは、理化学研究所 環境資源科学研究センターの杉本 慶子 チームリーダー(東京大学 大学院理学系研究科 教授)、東京医科歯科大学 難治疾患研究所 ゲノム機能情報分野の二階堂 愛 教授(理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー)、中部大学の鈴木 孝征 教授らの研究グループと共同で、さまざまな器官の細胞に分化し得る多能性を持ったカルス細胞から芽を生み出す効率を劇的に向上させる新しい方法を発見しました。

植物の器官再生能力を制御し、細胞分化を運命づける因子(たんぱく質)を突き止め、この因子を調節することにより高効率で新たな芽を生み出す道を開いたものです。本研究の成果を農作物に応用することで、遺伝子工学に欠かせない組織培養技術の効率を飛躍的に改善でき、食糧の安定供給に貢献することが期待できます。

本研究成果は、AAAS(アメリカ科学振興協会)の学術誌「Science Advances」オンライン版に2023年7月8日(土)(日本時間)に掲載されます。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業(JPMJFR214H)、日本学術振興会(JSPS) 新学術領域研究「植物の周期と変調」(19H05670、20H05431、22H04713)、新学術領域研究「植物多能性幹細胞」(20H04894)、若手研究B(17K15146)、内藤記念次世代育成支援研究助成金、武田科学振興財団 ライフサイエンス研究助成などの支援を受けて行われました。

<プレスリリース資料>
<論文タイトル>
“WUSCHEL-RELATED HOMEOBOX 13 suppresses de novo shoot regeneration via cell fate control of pluripotent callus”
DOI:10.1126/sciadv.adg6983
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
池内 桃子(イケウチ モモコ)
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域
植物再生学研究室 特任准教授

<JST事業に関すること>
中神 雄一(ナカガミ ユウイチ)
科学技術振興機構 創発的研究推進部

<報道担当>
奈良先端科学技術大学院大学 企画総務課 渉外企画係
新潟大学 広報事務室
理化学研究所 広報室 報道担当
東京医科歯科大学 総務部 総務秘書課 広報係
中部大学 学園広報部 広報課
科学技術振興機構 広報課

細胞遺伝子工学
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