ガンガゼ類の食道に寄生するカイアシ類~ランタンノタネビ(新称)の北半球初記録~

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2024-06-04 京都大学

カイアシ類は、自由生活性・寄生性の多様な種を有する小型の甲殻類です。山守瑠奈 フィールド科学教育研究センター助教、上野大輔 鹿児島大学教授らの研究グループは、鹿児島県から琉球列島にかけての浅海に生息するガンガゼ類に寄生する北半球初記録のカイアシ類を発見し、新称和名を「ランタンノタネビ」として発表しました。本種は「アリストテレスのランタン」と呼ばれる、ウニの口器の中を通る食道内から発見され、赤い体色を持つことから本和名が付けられました。本種は遺伝子の解析および形態の観察によって、南半球で記録のあるClavisodalis sentiferと同定され、また寄生する宿主がガンガゼ属のガンガゼ・アラサキガンガゼおよび、ガンガゼモドキ属のガンガゼモドキとトックリガンガゼモドキと、多岐にわたることが明らかになりました。ランタンノタネビが属する寄生性のカイアシ類の科は、宿主特異性が高いことが知られており、本種のように宿主の幅が属をまたぐほど広いのは珍しいことです。

本研究成果は、2024年6月4日に、国際学術誌「Zoological Science」にオンライン掲載されました。

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左:ウニの口器、右:ランタンノタネビ。スケール 左:1 cm、右:1 mm。

研究者のコメント

「真紅の体、ランタンと呼ばれる口器の中という生息場所。もう奴の名前はランタンノタネビしかないと思いました。そして研究を進める中で本種が日本初記録で和名が存在しないことがわかり、本当にこの名前を採用できる日が来てとても嬉しい気持ちです。『タネビ(公式)』と喧伝できる喜びをかみしめています。タネビ(公式)をよろしくお願いします。」(山守瑠奈)

詳しい研究内容について

ガンガゼ類の食道に寄生するカイアシ類―ランタンノタネビ(新称)の北半球初記録―

研究者情報

研究者名:山守 瑠奈

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生物化学工学
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