エクソソーム(細胞外小胞)の多検体自動精製技術開発に成功

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疾患バイオマーカー開発などへの貢献に期待

2021-09-15 医薬基盤・健康・栄養研究所

この度、弊所 プロテオームリサーチプロジェクト・創薬標的プロテオミクスプロジェクト・疾患解析化学プロジェクトの足立淳プロジェクトリーダーの研究グループは富士フイルム和光純薬株式会社と共同で、一度に96検体からエクソソーム※1を精製することができる自動精製技術の開発に成功しました。

エクソソーム(細胞外小胞)の多検体自動精製技術開発に成功

【研究成果のポイント】

  • がんの早期診断等に有用な新たなバイオマーカー※2探索材料として有望視されているエクソソームは、様々な細胞から血中に分泌され、分泌元の細胞のタンパク質や核酸を含むことから、近年、精力的に研究が進められている。
  • 血中からエクソソームを分離する際には、その精製技術が課題であったが、この度、一度に96検体からエクソソームを純度高く精製することができる自動精製技術を開発した。
  • エクソソームの臨床検査への応用に適用できるため、様々な疾患の新規バイオマーカーの開発から臨床応用まで、幅広い研究開発に貢献することが期待される

なお本技術を用いたエクソソームの多検体自動精製は、富士フイルム和光純薬株式会社の受託サービスから利用可能です。

 詳しい資料は≫

※用語解説
*1:エクソソーム(細胞外小胞)
エクソソームは、ほとんどすべての種類の細胞から放出される脂質二重膜で囲まれた膜小胞である。エクソソームは、親細胞からタンパク質、核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)、脂質、代謝物などを運ぶ、新たな細胞間情報伝達媒体として注目されており、診断や治療に役立つバイオマーカーの開発が急速に展開されている。
※エクソソームはエンドソーム由来の細胞外小胞であり、細胞外小胞はその他の経路から生成される小胞も
含めた総称であるが、細胞外小胞を通称エクソソームと表現することも多いため、本ホームページでは
エクソソームの表記に統一している。

*2:バイオマーカー
バイオマーカーは、がんの早期発見や疾患の正確な診断のみならず、疾患を未然に防ぐための日常的な指標として疾患の予防の他、副作用を回避した有効な治療法を選択する個別化医療への応用にも期待されている。

有機化学・薬学
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