有機化学・薬学 C型肝炎の経口治療薬が肝がん治療後のがんの進行リスクを低下させることを明らかに C型肝炎ウイルスの感染がある初期の肝がん患者に対して、がんの治療後に経口治療薬(DAA)治療によりC型肝炎ウイルスを排除することで、肝がん再発後の進行リスクを低下させることを初めて明らかにしました。さらに、肝がんの治療頻度、死亡リスクも低下させることを明らかにしました。DAA治療が肝がん治療後の患者にも有益性が高いことが示されました。 2021-12-23 有機化学・薬学
有機化学・薬学 「リンパ球制御を可能としたヘテロ核酸の開発」~多発性硬化症など自己免疫疾患の治療に大きな進歩~ 独自に開発した核酸医薬である「DNA/RNAヘテロ2本鎖核酸(HDO)」により、従来の核酸医薬では効率的な遺伝子制御が困難であったリンパ球の内在性遺伝子の制御を、ビタミンEを結合したヘテロ核酸(Toc(VE)-HDO)を用いることにより可能としました。多発性硬化症モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスやマウス移植片対宿主病(GVHD)モデルにおいて、α4β1インテグリン(VLA-4)を標的としたヘテロ核酸(Toc(VE)-HDO)の投与により表現型の改善を認めました。また、従来のアンチセンス核酸と比較して、ヘテロ核酸はリンパ球への多様な送達メカニズムを有する特徴がわかりました。 2021-12-23 有機化学・薬学
有機化学・薬学 サルモネラ菌の休眠・薬剤耐性に関与するタンパク質の機能を解明 病原性細菌の一種であるサルモネラ菌(Salmonella Typhimurium)のパーシスター細胞の形成誘導に関与するTacTタンパク質が、特定のアミノアシルtRNA注1)をアセチル化修飾し、それによりタンパク質合成を阻害する分子機構を明らかにしました。 2021-12-22 有機化学・薬学
有機化学・薬学 光合成色素を使って近赤外蛍光タンパク質を明るくすることに成功 近赤外蛍光タンパク質iRFPの発色団として、今まで知られていたビリベルジンだけではなく、光合成色素として知られるフィコシアノビリンが使用できることを新たに発見しました。ビリベルジンよりもフィコシアノビリンを用いた方が、iRFPの蛍光が明るくなることがわかりました。ビリベルジンやフィコシアノビリンを代謝により合成することができない分裂酵母細胞においても、それらの色素の合成酵素を発現させることでiRFPの蛍光強度を増強させることに成功しました。 2021-12-21 有機化学・薬学
有機化学・薬学 新規赤色蛍光ドーパミンバイオセンサーの開発 〜ドーパミンとノルエピネフリンの同時可視化に成功〜 赤色蛍光タンパク質を用いたドーパミンバイオセンサー「R-GenGAR-DA」の開発に成功しました。この赤色蛍光ドーパミンセンサーのドーパミンに対する高い選択性を利用し、既報の緑色蛍光ノルエピネフリンバイオセンサーと共に用いることで、ひとつの細胞でドーパミンとノルエピネフリンを同時に可視化することに成功しました。 2021-12-20 有機化学・薬学
有機化学・薬学 植物の免疫応答を抑制する化合物を発見~植物免疫応答を解明するための新たなツール~ ヒトの非ステロイド性抗炎症薬であるテノキシカムに植物の免疫応答を抑制する作用があることを発見しました。新たに化合物ライブラリーから植物の免疫応答を抑制する化合物として、化学構造の類似した3種類のオキシカム系非ステロイド性抗炎症薬(テノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム)を同定しました。さらに、テノキシカムが細胞内の酸化還元状態を酸化側に傾かせること、そしてサリチル酸で発現が上昇する遺伝子群を広範に抑制することを示し、サリチル酸のシグナル伝達機構の一端を明らかにしました。 2021-12-16 有機化学・薬学
有機化学・薬学 補酵素NADとSAMを縮合する画期的な新奇酵素の発見 アルテミシジン生合成経路を同定し、その生合成中の初発反応として、補酵素β-NADとSAMを基質として受け入れ、二回のC-C結合形成により、ジヒドロアザインダン生成物を与える新規生合成酵素SbzPを同定しました。生体内での酸化反応の補酵素として広く知られているβ-NADを、天然物の基本骨格生合成反応の基質として受け入れ、生成物を与える酵素としては、最初で唯一の報告になりました。 2021-12-10 有機化学・薬学
有機化学・薬学 小児難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ投与後の寛解維持療法の開発 小児期に発症する難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群を対象に、多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験を先進医療Bの枠組みの中で実施し、免疫抑制薬のひとつであるミコフェノール酸モフェチル(MMF)がリツキシマブ投与後の寛解維持療法として有効であり、安全性も許容範囲内であることを明らかにしました。 2021-12-09 有機化学・薬学
有機化学・薬学 ジヒドロ-β-アガロフラン類:オイオニミンとオイオニミノールオクタアセテートの全合成 炭素骨格上にすべての酸素官能基を有する3環性化合物を共通中間体として設計し、分子の三次元構造を利用した立体選択的な結合形成反応を精密に組み合わせた効率的合成と、今回確立した14員環構造構築法により、オイオニミノールオクタアセテートおよび世界初のオイオニミンの不斉全合成を実現しました。 2021-12-08 有機化学・薬学
有機化学・薬学 細胞外乳酸バイオセンサーの開発 緑色蛍光タンパク質(GFP)及びタンパク質工学の手法を用いることで、細胞外の乳酸動態を緑色蛍光で低侵襲に可視化可能なバイオセンサーeLACCO1.1を世界に先駆けて開発しました。 2021-12-07 有機化学・薬学
有機化学・薬学 世界初・日本発:ミトコンドリア病克服への第一歩~ミトコンドリア病治療薬MA-5の成人健常者を対象とした臨床試験を開始~ MA-5は、ミトコンドリア病注1患者さんの細胞や病態モデル動物で効果が確認されている画期的なミトコンドリア病治療薬候補化合物です。成人健常者56人を対象としてMA-5の経口投与を行う臨床試験を、AMEDムーンショット型研究開発事業注2の支援により開始します。この臨床試験は成人健常者を対象として行い、MA-5の安全性・体内動態を確認することを目的としています。 2021-12-06 有機化学・薬学
有機化学・薬学 ウコンに含まれる成分が腸内フローラを介して脳・脊髄の炎症を抑制 ウコンに含まれる「クルクミン」の構造を変化させたプロドラッグ型の化合物が、腸内フローラを変動させることで、脳や脊髄の炎症を抑制することを世界で初めて明らかにしました。 2021-12-03 有機化学・薬学