日本人成人における超加工食品の摂取量と食事の質との関連

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2023-05-10 東京大学

1.発表者:
篠崎 奈々(東京大学大学院医学系研究科 栄養疫学・行動栄養学講座 特任研究員)
村上 健太郎(東京大学大学院医学系研究科 栄養疫学・行動栄養学講座 特任教授)

2.発表のポイント:
◆日本人成人を対象とした食事調査のデータをもとに、超加工食品の摂取量と食事の質との関連を調査しました。
◆超加工食品からのエネルギー(カロリー)摂取量は 1 日の総エネルギー摂取量の 3~5 割程度を占めていました。また、超加工食品からのエネルギー摂取量が多い人ほど、食事の質が低いことがわかりました。
◆全国規模の食事調査のデータを用いて、超加工食品の摂取量を算出し、食事の質との関連を評価した日本で初めての研究です。今後、日本における超加工食品に関連する疫学研究の発展や、公衆栄養政策の決定に貢献することが期待されます。

3.発表概要:
東京大学大学院医学系研究科栄養疫学・行動栄養学講座の篠崎奈々特任研究員、村上健太郎特任教授らの研究グループは、日本人成人388人から得られた4日間にわたる詳細な食事記録データをもとに、超加工食品の摂取量を調査し、食事の質との関連を調べました。
超加工食品は、複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品であり、多く摂取することで食事の質が低下する可能性があります。しかし、日本では超加工食品に関する栄養学研究はほとんどなく、超加工食品の摂取量や食事の質との関連は十分に明らかになっていません。そこで食事記録データから超加工食品の摂取量を推定したところ、超加工食品からのエネルギー(カロリー)摂取量は 1 日の総エネルギー摂取量の 3~5 割程度を占めていました。また、超加工食品からのエネルギー摂取量が多い人ほど、食事の質が低いことがわかりました。本研究は、日本において全国規模の食事調査のデータを用いて、超加工食品の摂取量および食事の質との関連性を評価した初めての研究であり、公衆栄養政策を決定する上での重要な資料になると考えられます。
本研究成果は、2023年4月24日(英国夏時間)に専門誌「Public Health Nutrition」のオンライン版に掲載されました。

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