魚類の性決定システムの多様性と収斂性

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2023-11-29 国立遺伝学研究所

このたび、生態遺伝学研究室の北野潤教授は、京都大学の安齋賢博士、長浜バイオ大の竹花佑介博士、東京海洋大の山本洋嗣博士とともに、硬骨魚類の性決定システムについての総説を執筆し、Annual Review of Animal Biosciencesに発表しました。

人類を含む哺乳類では、性は基本的にXYシステムで決定されますが(オス化遺伝子のSRYが座乗するY染色体を持つとオスになる)、動物全体を見渡すと、性決定システムがこのように広い種間で保存されているのはむしろ例外的です。例えば魚類では、性決定システムはXYだけではなく、ZWで決まる種もあれば(W染色体にメス化遺伝子が座乗しており、Wを持つとメスになる)、環境で性が決まる種もあります。XYで性が決まる種でも、さまざまな遺伝子がオス化の機能を果たします。

本総説では、まず、これまでに解明されてきた硬骨魚類の性決定システムを概観しました。その結果、TGF-βシグナル伝達経路の遺伝子が、マスター性決定遺伝子として頻繁に用いられていること、マスター性決定遺伝子の出現はおもに(1)遺伝子重複と転位、あるいは(2)対立遺伝子の突然変異の2つのメカニズムで生じることがわかりました。また、多くの魚種において、温度が性決定に影響し、ほとんどの場合で、温度が高いほどオスへの分化が誘導されることを報告しました。最後に、このような性決定メカニズムの転換を誘導する要因に関する理論モデルを概観し、今後の研究に残されたクエスチョンについて考察しました。

本成果は、科研費やJST CRESTの支援を得て実施されました。


Diversity and Convergence of Sex Determination Mechanisms in Teleost Fish

Kitano, J., Ansai, S., Takehana, Y., and Yamamoto, Y.

Annual Review of Animal Biosciences (2024) 12. DOI:10.1146/annurev-animal-021122-113935

細胞遺伝子工学
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