内視鏡検査で大腸ポリープ・癌を自動検知する人工知能(AI)を開発

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2018/09/11 昭和大学,名古屋大学,日本医療研究開発機構

昭和大学横浜市北部病院消化器センター(研究開発代表者:工藤進英特任教授)は名古屋大学大学院情報学研究科(研究分担者:森健策教授)らと共同で、人工知能(AI)によりポリープ・癌をリアルタイムで検知し、医師による病変の発見をアシストする大腸内視鏡検査支援システムを開発しました。

大腸癌は本邦女性の癌死数の1位、男性でも3位となっており、効果的な対策が求められています。内視鏡検査の際に腫瘍(ポリープや癌・前癌病変を含む)を切除することで大腸癌罹患・死亡とも大きく抑制できるため、大腸内視鏡検査は大腸癌の発見・治療だけでなく、予防にも有用であるとされています。一方で、1回の検査で小さな腫瘍性病変のうち約25%が見逃されているという報告もあるところです。

名古屋大学で開発されたAIは、昭和大学横浜市北部病院で撮影された大腸内視鏡(オリンパス株式会社の内視鏡を使用)の動画約20万フレームを学習し、学習していない50病変の動画でテストしたところ94%の病変がAIで検知できました。本研究では静止画ではなく、動画で検証することで、実臨床に近い厳格な環境で評価していることが特長です。

このシステムによって病変を見落とすリスクを低減し、大腸癌死亡を抑制することが期待されます。現在は、学習した動画を約280万フレームまで増やしたシステムで臨床研究に着手し、平成31年度には薬機法申請を目指した試験を開始する予定です。

なお、本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)8K等高精細映像データ利活用研究事業「人工知能とデータ大循環によって実現する、大腸内視鏡診療の革新的転換」(研究開発代表者:工藤進英)および日本学術振興会 科研費JP17K15971の支援を受けて実施されています。また、本研究成果は昭和大学三澤将史講師らにより米国消化器学会誌であるGastroenterology誌の2018年6月号に掲載されました。大腸内視鏡で病変を自動検知するAIの論文報告は医師としては世界初です。

内視鏡検査で大腸ポリープ・癌を自動検知する人工知能(AI)を開発

論文について
タイトル:Artificial Intelligence-Assisted Polyp Detection for Colonoscopy: Initial Experience
本件に関する問い合わせ先
研究内容

昭和大学 横浜市北部病院消化器センター
講師 三澤 将史

AMED事業に関すること

日本医療研究開発機構(AMED)
産学連携部 医療機器研究課

医療・健康
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