2025-09-01 中国科学院(CAS)
中国科学院空天信息研究院とハルビン医科大学第一附属病院の共同研究チームは、深部脳腫瘍の正確な位置特定に成功する世界初の臨床試験を実施した。対象となった言語障害を伴う膠芽腫患者は、手術で新開発の脳チップ「NeuroDepth」を用いたBCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)技術により、腫瘍切除後に言語能力が改善した。NeuroDepthはリアルタイムで腫瘍境界を可視化し、正常組織を保護しながら正確な切除を可能にする点が革新的である。従来の電極が皮質信号しか捉えられなかったのに対し、本技術は大脳皮質から深部構造に至るまで神経信号を取得でき、神経電気生理信号のみならず神経伝達物質もモニタリング可能である。これにより境界が不明瞭な膠腫や脳転移腫瘍の治療精度向上が期待される。今後は視覚・聴覚機能回復用BCIや、麻痺患者の運動機能を支援する血管内インターフェースへの応用も計画されている。
VCG
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