イラン向け無償資金贈与契約の締結

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医療検査・治療機器の整備により首都テヘラン市の医療サービス向上に貢献

2018-02-13 独立行政法人国際協力機構

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、2月12日、イラン・イスラム共和国の首都テヘランにて、保健・医科教育省との間で、「テヘラン市医療機材整備計画」を対象として15億3,400万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、テヘラン市のイマーム・フセイン総合病院及びアラシュ女性病院に対し、がんと循環器系疾患の早期発見と治療に必要な機材を整備し、同疾患に対する診療機能の強化を図り、医療サービスの質の改善に寄与するものです。

同国では、1979年の革命以降、農村部の医療体制の構築・強化を目指し、農民を主体とする健康増進に向けたプライマリ・ヘルスケア活動を全国的に展開した結果、感染症に対する予防と管理を中心とした保健レベルは順調に発展しました。
一方、非感染性疾患に関しては、医療施設において、経済制裁に起因する外貨不足により医療機材の更新が進まず老朽化と不足が常態化し、診療を行うために必要な医用画像を患者に提供できない、内視鏡下手術が実施できないなどの課題を抱えています。その結果、近年、非感染性疾患による死亡者数が増加の傾向にあり、死亡原因の上位二つを循環器系疾患(46%)及びがん(13%)が占めています(世界保健機関2016)。

人口が最も多く非感染性疾患の診療ニーズの高い首都のテヘランでは提供可能な診療サービスの地域格差が大きな課題となっています。特に、貧困層の多いテヘラン市東部の公的医療施設には、がんと循環器系疾患について、診療サービスを十分に提供できる医療機材が整っていない状況となっています。
その結果、患者の身体的・精神的な負担が大きくなっており、また、がんと循環器系疾患の診療に関する財政負担が増加しており、同疾病の早期発見・治療に必要な医療機材の整備は急務とされています。

本事業により、テヘラン市東部の医療施設である上記2病院において、非感染症疾患診療に必要な機材の整備をすることにより、同市の医療サービスの質の改善が期待されます。

【案件基礎情報】
国名 イラン・イスラム共和国
案件名 テヘラン市医療機材整備計画(The Project for the Improvement of Medical Equipment in Tehran City)
実施予定期間 50ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 保健・医科教育省経済開発協力局
対象地域・施設 テヘラン市イマーム・フセイン総合病院、アラシュ女性病院
具体的事業内容(予定) (1) 機材調達
イマーム・フセイン総合病院:血管X線撮影装置、逆行性胆道膵管造影用内視鏡、外科用X線TVシステム、超音波内視鏡観測システム、超音波診断装置
アラシュ女性病院:全身用X線CT診断装置、磁気共鳴画像診断装置、デジタル式乳房X線診断装置、腹腔鏡セット、胃内視鏡と大腸内視鏡セット、据置型デジタル式汎用X線診断装置、移動型X線診断装置(2) コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、調達監理

 

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