膵臓ベータ細胞の増殖プロセスを時系列解析~糖尿病の新規治療開発に期待~

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2020-12-24 京都大学

龍岡久登 医学研究科特定助教、坂本智子 同研究員、渡辺亮 同特定准教授、稲垣暢也 同教授、矢部大介 岐阜大学教授らの研究グループは、膵臓のベータ細胞が増殖するプロセスを一細胞レベルで解析することに世界ではじめて成功しました。

糖尿病状態ではインスリンを産生する膵臓ベータ細胞の量が少なくなることから、その再生を誘導する治療法の確立が期待されています。一方で、ベータ細胞以外にも複数の内分泌細胞がある膵臓では、ベータ細胞だけに注目して解析することが困難でした。本研究では、ベータ細胞の増殖が促されるモデルマウスの膵臓について、一細胞レベルで遺伝子発現を観察するシングルセルRNAシークエンスを行い、ベータ細胞の増殖過程の詳細を解析しました。その結果、これまでに提唱されてきた増殖シグナルに加え、がん化を防ぐ遺伝子群が発現することが観察されました。増殖のみに注目されていたベータ細胞の再生において、過剰な増殖を監視する機構が存在することでがん化を抑制している可能性が示唆されました。

本研究成果は、2020年12月18日に、国際学術誌「iScience」に掲載されました。

メイン画像

図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:龍岡久登
研究者名:渡辺亮
研究者名:稲垣暢也

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医療・健康生物化学工学
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