世界初・「卵活性化」の新たな精子ファクターを発見!

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「精子の老化」には、クエン酸が大きく関係している可能性も

2020-01-15 国立成育医療研究センター

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)研究所の生殖研究グループ(康宇鎭研究員、宮戸健二室長)は、精子の中にある「クエン酸合成酵素」が受精卵を活性化させる精子ファクターとなる事を、マウスを使った研究で明らかにしました。これは、世界初の研究成果です。
さらに、「クエン酸合成酵素」の働きが年齢とともに弱まり「クエン酸」を合成できなくなることによって、男性不妊を発症する可能性があることも本研究により分かりました。見た目は元気に動き回る精子でも受精卵の活性化を促せない「精子の老化」に、「クエン酸」が大きく関わっている可能性があります。
今後、人での研究が進むことによって、精子に含まれる「クエン酸」の含有量から男性不妊のリスク要因評価への応用が期待されます。
この研究成果は、米国の病理学会誌”Laboratory Investigation”に掲載されました。

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プレスリリースのポイント
  • これまで1つだと考えられていた「卵活性化」の精子ファクターですが、「クエン酸合成酵素」も精子ファクターとしての働きを持つことを発見しました。これは、世界初の研究成果になります。
  • 「クエン酸合成酵素」は年齢と共に働きが弱まるため、年齢を重ねると精子の「クエン酸」含有量も減っていきます。見た目は元気に動き回る精子でも「卵活性化」を促せない「精子の老化」に、クエン酸が関係していることが考えられます
  • この研究が進むことによって、男性不妊のリスク診断や原因解明に役立つ事が期待されます。
発表論文情報

著者:

康宇鎭1, 原田裕一郎1, 大和屋健二2, 河野菜摘子3, 金井誠也3, 宮本義孝1, 中村彰宏1, 宮戸真美1, 林良樹4, 黒木陽子1, 齊藤英和1, 岩尾康宏5, 梅澤明弘1, 宮戸健二1

所属:
1国立成育医療研究センター;2順天堂大学;3明治大学;4筑波大学;5山口大学

題名:
Extra-mitochondrial citrate synthase initiates calcium oscillation and suppresses age-dependent sperm dysfunction

掲載:
Laboratory Investigation

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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